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私木下貴子が離婚調停業務にかける思い

「裁判所HPより詳しい離婚調停解説」連載の最終回

最後に,今回のシリーズのまとめとして,3つのことをお伝えしたいと思います。

  1. 私が離婚調停の連載をしようと考えた理由
  2. 離婚調停で弁護士に相談すべき理由
  3. 離婚問題で弁護士に相談すべきタイミング

私が離婚調停の連載をしようと考えた理由

離婚調停は重要な制度

今回,離婚調停の連載を書いたのは,「離婚調停」を重要な制度と考えているからです。
裁判になれば,白黒はっきりさせる戦闘モード全開の戦いになります。互いに相手に勝つため,相手の非難をしなければならなくなります。時間も平均1年程度かかってしまいます。裁判中,「非難の言葉」に打ちのめされ,精神的に不安定になり,病院に通院される方も珍しくありません。離婚後も,子供のことで相手と関わっていくべきケースには,憎しみを募らせてしまう可能性の高い「裁判制度」を避けた方が良いことも多いです。
離婚調停は,最後の「話合い」による解決をめざすものです。裁判になったら法的に通用する主張しか通りませんが,「話合い」による解決であれば,「法的には無理だけど,お互いのこと,子供のことを思ったら,その方がいいよね」と思う養育費の金額,面会の方法などを柔軟に定めていくことができます。
つまり,「離婚調停」は,話合いで離婚問題を解決できる最後の砦なのです!
そういう離婚調停の「良さ」,「重要さ」をふまえて,どうしたら「離婚調停」でうまく離婚できるのか,この連載の記事を参考にしていただきたいと思います。

離婚調停に共通する不安・悩みを解消したい

そして,今まで1000件以上の離婚の法律相談を受ける中で,離婚調停のことで相談にくる方に共通する「不安」「悩み」があると感じてきました。

この記事を書いたのは,こうした「不安」「悩み」について記事に書いておくことで,

  • (1) 弁護士に相談するまでもない不安・悩みをご自身で解決していただきたい
  • (2) 弁護士との相談時間を有効活用していただきたい

と考えたからです。

例えば,

  • 「裁判所ってどんなところなんだろう」
  • 「裁判所でどんな話をしたらいいんだろう」
  • 「服装はどんな格好をしていったらいいんだろう」
  • 「裁判所では,相手と面と向かって話をするのでしょうか」
  • 「調停委員さんってどんな人ですか」
  • 「言ってはいけないことは無いのだろうか」
  • 「離婚調停を申し立てる方が有利なのか,申し立てられる方が有利なのか」
  • 「親権を取れないのだろうか」

といった「不安」「悩み」です。

1 弁護士に相談するまでもない不安・悩みを解決

私は,基本的には電話による相談を受け付けていません。その後の相談記録の管理や利害関係のチェックが困難であり,限られた情報による判断となって正確性を欠くことになってしまうからです。
しかし,「裁判所に何を着ていったらいいのか,など,ちょっと聞きたいだけなのに,わざわざ時間を取って相談に行かなければいけないの?」とお思いの方も多くいらっしゃるのではないかと思っており,それに,ある程度答えたいと思っていました。
また,弁護士に相談すると決めている場合でも,弁護士の事務所に予約をして,実際に相談ができるまでの間,全く何も分からず思い悩んで過ごさなければならないことになるため,その不安を少しでも早く解消できたら良いと思っていました。

2 弁護士との相談時間の有効活用

また,事前に情報を得ることで,自分の問題点,疑問点が明確にしていただけば,弁護士に「具体的に自分のケースではどうなのか?」と的を絞った相談をしていただくことがができるはずと考えていました。
当事務所では,1回の法律相談時間を45分と長めに取っていますが,それでも,時間が足りないということがあります。この記事を読んでもらうことで,弁護士に直接聞かなければいけない事項に絞って,相談時間を有効に使ってもらいたいと思いました。

……さて,これまでの記事は役に立ちましたでしょうか?
今後も,皆さんに共通する悩みを発見しましたら,記事を追加していきたいと考えています。

離婚調停で弁護士に相談すべき理由

文章では伝えきれないこともある

ここまで連載を続けてきましたが,やはり文章で伝えることには限界があるという気持ちを新たにしています。
会話では,身振り,手振り,図示で伝えたり,質問してもらって答えたりできますが,文章ではそれはできません。皆さんそれぞれ,疑問に思う点,「もっとここが聞きたい」と興味を持つ点が違います。文章ではそれに対応することができません。
また,できるだけ具体的な事例を想定して記事は書きましたが,誰一人として同じ人間が存在しないように,それぞれの「離婚問題」「離婚調停」で感じる悩み,事例は,ひとつとして同じものはありません。文章では,「あなたの事例で問題になる点,悩み」に個別対応することができません。
さらに,現実的なことを言いますと,「文章で公開しにくいこと」,「書きづらいこと」があることも事実です。
私は,離婚問題にかける熱意は強いものがあり,それは幼い頃に,自分の父母の間でいつも「離婚」の話がでていたことにあります。子供のときに母が言っていたこと,子供として受けた自分の体験,不安感などもあり,今の自分があります。これも,ホームページでは,全てを書くことができませんので,相談に来ていただいてお話しさせていただき,参考にしてもらえたらと思います。
相談に来ていただければ,文章で伝えられないようなアドバイスをさせていただくことができますので,ぜひご相談に来ていただきたいと考えています。

「弁護士」に相談してください

男女間の悩みのカウンセリング,行政書士,司法書士など,他の士業でも「離婚問題」に熱意を持って,取り組んでいる方が沢山います。それぞれ,特徴を知って,相談することは全く構いません。
ただ,「離婚調停」の段階となったら,少なくとも,「弁護士」に一度相談していただきたいと思っています。なぜなら,離婚調停で離婚が成立しなかった場合,離婚するには裁判しか手段がなくなるからです。この裁判に代理人として参加できるのは「弁護士」のみです。弁護士だけが,この事案の場合,裁判になったら実際にどうなるのか,時間がどれだけかかりそうか,養育費はいくらくらいになりそうか,財産分与,慰謝料はどれくらいになりそうか,精神的にどんな負担が生じそうか,などの予測を立てることができます。
弁護士から予測を聞き,これを踏まえて離婚調停を進めていただきたいと思います。実際に,離婚調停で希望していた養育費・慰謝料の金額を相手方が納得せず,不成立(不調)となってから相談に来られた方に,ご相談者が希望する金額は裁判で取れる見込みが無いことをご説明することになることもあります。
離婚調停が不成立になる前であれば,希望額を下げて離婚調停で話し合うことで解決もできたでしょうが,離婚調停不成立になってから希望額を下げて交渉するというのは,大変に困難なこととなります。
離婚調停が不成立となった後にどうなるのかの予測を持って行動すれば,生じた結果に対する対処が可能ですが,何も知らずに離婚調停を進めてしまっては,起きた結果に対して,どう対処してよいのかが分からなくなってしまいます。
後悔先に立たずといいます。離婚調停になったら,少なくとも一度は弁護士に相談していただきたいと思います。

離婚問題で弁護士に相談すべきタイミング

離婚問題で弁護士に相談するタイミングとして,絶対に押さえていただきたいのは,「離婚調停が不成立になりそうな場面」です。離婚調停で双方の歩み寄りに限界が感じられ,これ以上話しても,合意ができないような状態になり,調停委員から「双方がこのままなら,次回は不成立,かも知れませんね……」というようなことを言われた時期です。
このときは,不成立となる前に,一度弁護士に相談すべきです。先ほども書きましたが,少し条件を譲って調停を成立させた方が,裁判をするより良い結果が得られそうという事案が沢山あります。離婚調停を不成立にしてしまったら,再度の離婚調停の申立は,難しくなりますので,是非,このタイミングでは相談をして下さい。
当日,予測していなかったのに「これ以上話をしても難しいので,調停を不成立にしようと思います」と言われた場合には,「もう一度だけ考えてみたいので,あと一度調停期日を作ってください」と言って,その間に弁護士に相談することをお勧めします。結果として,「不成立」を選択するとしても,その後,すぐに裁判手続きを準備することができるので,どちらにしても,このタイミングで弁護士に相談するのが大事です。

その他,弁護士に離婚問題を相談すべきタイミングとして,私がお勧めするのは以下のタイミングです。

1 離婚しようかなと考えたとき,相手から離婚の話が出たとき

離婚する場合のメリット,デメリットを踏まえ,その後の行動が取れるので,効率よく,うまく離婚手続きを進めるには,この段階での相談が最も有効です。
すぐに離婚しない予定であっても,今後どうなっていきそうか予想することで,準備や注意しておく点がわかります。

2 離婚する,と決めたとき

離婚する,という決意ができたら,どういう条件でどのように進めたら良いのか,弁護士に相談すると良いでしょう。手続きを進める中でどのような問題が起きそうなのかも分かります。

3 離婚の話合いをしたけれど,進まないと感じたとき

離婚調停に進むべきかどうかの判断の時期なので,調停にした方が良いのか,直接の話合いをもう少し続けた方がいいのかを,相談するタイミングです。離婚調停にするメリット,デメリットも分かります。

4 別居を考えたとき

別居する際には,様々な注意事項があります。別居してしまってからは取り返しのつかないものもありますが,ホームページで伝えにくいことが多いです。このタイミングでは,一度相談することを強くお勧めします。

5 離婚調停を申立てようとするとき,申し立てられたとき

離婚調停には注意すべき点があります。自分が離婚調停をどのように申し立てたらいいのか,調停中どんなことに気をつけたらいいのかを踏まえて調停に臨むのが良く,このタイミングで相談するといいです。

6 離婚調停で相手から養育費・財産分与など離婚の条件が出されたとき

離婚すること自体は相手方も了解し,離婚のための条件が出されたときには,弁護士に相談して,裁判になった場合の見込みを尋ねましょう。その条件を受け入れた方が得なのかどうか,踏まえて対応しましょう。

7 協議離婚,離婚調停が成立しそうなとき

合意(離婚協議書,離婚調停の調停調書)が成立する場合,その文言で本当に問題ないのか,一度弁護士に相談して確認すると良いでしょう。 住宅ローンの支払いとは別に養育費を払ってもらえるのかなど,合意内容の記載の仕方によっては,双方に解釈の違いが出てしまってトラブルになることもあります。他に書いておくべきことは無いのかの確認もすると良いでしょう。

終わりに

これまでのお話の通り,離婚調停は二人だけでは話合いが難しいけれど,裁判のような「戦い」ではなく,公平な第三者に入ってもらって話合いを進めるという素敵な制度です。
この連載を読んで,離婚調停の特徴を知って,安心して,希望を持って,離婚調停に臨んでいただけたら嬉しいです。
「離婚」=「不幸」のイメージではなく,今の苦しい,悲しい状態から一歩でも前に進む,「今より明るくなるための第一歩」と思ってもらえたら……。
みなさまの離婚調停が,悔いの無い,充実したものとして進んでいくことを,心から祈念いたします。

長い連載を最後まで読んでいただき,ありがとうございました。

(弁護士 木下貴子)

動画解説

このページ「私木下貴子が離婚調停業務にかける思い」をYouTubeでお伝えしています。

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この記事を書いた弁護士

著者木下貴子

弁護士 木下貴子

多治見ききょう法律事務所所長

岐阜県多治見市で初の女性弁護士となり25年目。
離婚事件を中心的に取り扱い,これまでに受けた離婚のご相談件数は1000件を超えます。ご相談は,親身,気軽,自分で決めるをモットーに対応しています。
離婚・夫婦に関する講演の講師も務めています。
著書の「離婚調停は話し方で変わる」(ききょう出版)はAmazonランキング法律部門第1位を獲得しました。

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