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別居中の住宅ローンは生活費(婚姻費用)にこんな影響がある

別居中の住宅ローンの支払いと生活費の関係

別居中,妻子が,夫名義の家に住んでいるとき,妻側が夫から生活費をもらっていないことがあります。
しかし,夫は,妻子が住んでいる住宅の住宅ローンを支払っていて,自分自身もひとりで生活するための費用が必要であるため,お金に余裕が無いことも多いです。
住宅ローンを負担してもらうことで,家賃をかけずに妻子が住居に住むことができるので,生活費の一部を夫に支払ってもらっている,とも言えそうですが,他に,食費,学費等の生活費を請求することができるのでしょうか?

婚姻費用(生活費)の具体的計算方法は?

裁判所(調停,審判)では,現在,裁判所が採用している婚姻費用算定表の基準額にしたがって,夫,妻の収入に応じて計算される,支払金額の合意をするよう進められることが一般的です。

その算定表によれば,例えば,月額8〜10万円(二男が15歳になってからは,月10万円程度)が,婚姻費用の支払金額として相当な金額となる場合について,夫が,住宅ローンを,平成26年○月から同年○月までについては毎月約8万9000円,同年○月については約6万1000円,同年○月から平成27年○月までについては毎月約4万5000円,同年○月以降については毎月約5万円の本件ローンの支払を行っているというケースで,この,住宅ローンを支払っていることを考慮して,婚姻費用の金額を決めた,参考となる事例(平成27年8月13日東京家裁)がありましたので,これに添って解説します。

算定表の相場金額から住宅ローンの一部を差し引く

この事例では,住宅ローンの支払い額が毎月約8万9000円であった期間については,婚姻費用分担額から3万円の控除を認め,毎月4万5000円〜5万円ほどの支払いとなってからは,婚姻費用の分担額から1万円の控除を認めています。
(住宅ローン支払い額が6万1000円になった月がありますが,その月については3万円の控除となったのか1万円の控除となったのか判例時報の記事からは詳細は不明です)
その結果,算定表から,二男が15歳になるまでの相当な婚姻費用の額は月額9万円とした上で,3万円を控除して,月額6万円を支払わせるのが相当,と判断しました。
そして,1万円を控除すべき期間については,月額8万円を支払わせるのが相当,とし,二男が15歳になってからは,算定表で相当とされる金額を10万円とし,1万円を控除して月額9万円を支払わせるのが相当と判断しました。
つまり,算定表の相場金額から,住宅ローンの支払金額の一部を差し引いて,生活費(婚姻費用)の支払金額を決めたということになります。
したがって,夫が住宅ローンの支払いをしている夫名義の家に妻子が居住している場合であっても,婚姻費用を請求することは可能だけれど,住宅ローンを支払ってもらっていることを考慮して,その一部の金額が差し引かれる,ということになります。

差し引かれる金額はどのようにして決まるのか?

裁判所は,今回の事例で差し引く金額を決めた理由として,以下のようなことを言っています。

妻は,住居関係費の負担を免れる一方,相手方は自らの住居関係費とともに申立人世帯の住居関係費を二重に支払っていることになるから,婚姻費用の算定に当たって住宅ローンを考慮する必要がある。もっとも,住宅ローンの支払は,資産形成の側面を有しているから,相手方の住宅ローンの支払額全額を婚姻費用の分担額から控除するのは,生活保持義務よりも資産形成を優先させる結果となるから相当でない。そこで,当事者双方の収入や住宅ローンの支払額,相手方の現在居住している住居の家賃の額や家計調査年報の当事者双方の総収入に対応する住居関係費の額などの一切の事情を考慮し,本件では,次のとおりの金額を婚姻費用の分担額から控除するのが相当である。

つまり,夫は,住宅ローンの支払いをすることで,妻子の住所に関する生活費を支払っていることになるけれど,その一方で自分名義の財産である自宅不動産の借金を減らし,財産としての価値を上げていることになるので,住宅ローンの支払金額全額を婚姻費用から「全額」そのまま差し引くことは不適切ということです。
では,実際にどの程度差し引くか・・・ですが,ここは,裁判所の裁量が大きく認められている,と感じます。妻,夫の収入,ローンの支払い額,夫が別居後に住んでいる住居の家賃額,妻,夫の収入からすると,平均的にかかるであろう住居間経費の額(≒家賃の相場額)から総合的に考える,ということになります。

この事例では,住宅ローン支払額に対して2〜3割程度の金額の控除が認められていますので,1つの参考事例になると思います。

離婚後の場合であっても,相手方名義の住居に住み続ける場合には,養育費の金額を決める際に,同じ問題があります。今回の事例のように,算定表による算定結果から一定額を控除する方法の他に,住宅ローンの支払金額を「特別経費」として,差し引いて,算定表に当てはめる際の収入金額(基礎収入)で調整する方法もあります。
また,妻子が住宅ローンが残っている自宅ではなく,夫名義で借りてもらっているマンションに住んで,夫が家賃を支払ってくれている場合はどうなのか,妻子が住んでいるケースではなく,夫が住宅ローンを支払いつつ,自分でその家に住んでいる場合はどうなのか,などのご質問もよくあります。
その場合の考え方は,別記事「住宅ローン・家賃の支払を受けている場合の養育費の計算方法」に書きましたので,婚姻費用の場合でも,概ね同じように考えられますので,参考にして下さい。

まとめ

住宅ローンや光熱費等を支払ってもらっている家に住んでいる場合には,婚姻費用の金額を婚姻費用算定表に当てはめただけでは,支払ってもらえる見込額が分かりません。
支払額が少ないと感じるときにも,計算してみると,すでに相場以上の支払を受けていることもあり得ます。調停を申し立てることによって,相手方の気分を害して減額されてしまう,というデメリットが生ずることもありますので,意識して,調停の申立等をすることが必要です。
迷う場合には,一度,弁護士に相談して,調停申立をした場合の見込み,リスクなどを尋ねてみると良いでしょう。

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