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養育費算定表子4人表の作成-裁判所の算定表の分析から

子供が4人の場合の養育費・婚姻費用算定表

多治見ききょう法律事務所では,裁判所の算定表を分析して得られた結果を用いて,子供が4人の場合の養育費・婚姻費用算定表を作成しました。
公開しますので,ダウンロードの上,活用してください。

算定表の未対応部分の問題

裁判所の算定表には,

  • 子供が4人以上いる場合に対応していない
  • 連れ子(他の配偶者との間の子)がいる場合にそのまま使えない

などの問題があります。

そのため,このような場合でも使える算定表があるとよいと考えました。

まず,養育費算定表の基礎となる「算定方式」が発表されていますので,そのとおりに子供4人の場合の算定表を作ろうと考えました。
ところが,公表されている「算定表1〜19」(子供が3人までのもの)を確認したところ,発表されている「算定方式」そのものをあてはめても,「算定表1〜19」(子供が3人までのもの)にはならないことがわかりました。発表されている「算定方式」の解説において,数字が大胆に概数処理されていることが原因と思われました。

そこで,公表されている「表1〜19」と連続性のあるものを作成するため,まず,公表されている「算定表1〜19」(子供が3人までのもの)の分析を行いました。
そして,その結果を基に,子供が4人の場合の算定表を作りました。
この結果,公表されている「表1〜19」と連続性のあるものが完成しました。

つまり,

  1. 裁判所で用いられている算定表「表1〜19」と,「算定方式」の解説とは,結果がずれている
  2. その原因は,数字を大胆に概数処理した解説がされていることにあると思われる
  3. 「表1〜19」は,細かな数字で計算して作られている
  4. 「表1〜19」の細かな計算の方が,「算定方式」の概数処理された解説による計算よりも正確
  5. 「表1〜19」を分析し,正確性のある算定表(子供が4人の場合)を作成

詳細は,以下の経緯のとおりとなります。この点を踏まえて賢く活用するようにしてください。

養育費算定表の基礎となる「算定方式」

現在,裁判所では,東京・大阪養育費等研究会が発表した論考「簡易迅速な養育費等の算定を目指して−養育費・婚姻費用の算定方式と算定表の提案−」(判例タイムズ1111号285頁掲載)の養育費・婚姻費用算定表が,そのまま用いられています。
この論考は,算定方式の提案がなされ,子供が0〜3人のときの算定表が添付されているものです。

この論考では,収入の一定割合を「基礎収入」として,その基礎収入を「指数」に基づいて分配して養育費・婚姻費用の額を算定する方式が示されています。

指数

指数は,1人あたり,次のとおりとされています。

100
0〜14歳の子
55
15〜19歳の子
90

養育費の計算方法

義務者の基礎収入をX,権利者の基礎収入をYとしたとき

  1.  子の生活費(Z)=X×(子の指数)÷(義務者の指数+子の指数)
  2.  義務者の養育費分担額=Z×X÷(X+Y)

婚姻費用の計算方法

義務者の基礎収入をX,権利者の基礎収入をYとしたとき

  1. 権利者世帯に割り振られる婚姻費用(Z)=
     (X+Y)×(権利者世帯の指数合計)÷(権利者世帯義務者世帯の指数合計)
  2. 義務者から権利者に支払うべき婚姻費用分担額=Z−Y

基礎収入

上記の判例タイムズの論考では,
給与所得者の基礎収入は,「概ね総収入の42%〜34%(高額所得者の方が割合が小さい)の範囲内となる」
と説明されています。

自営業者の基礎収入は,「総収入の52%〜47%(高額所得者の方が割合が小さい)の範囲内となる」
と説明されています。

(判例タイムズ1111号289頁・縦書きの数字を引用するにあたり,漢数字を算用数字に直しました。)

しかし,同じ論考の別のところ(判例タイムズ1111号291頁)には,

基礎収入=
総収入×0.35〜0.43(給与所得者の場合)(高額所得者の方が割合が小さい)
総収入×0.49〜0.54(自営業者の場合)(高額所得者の方が割合が小さい)

という記述も見られ,同じ論考の中で,説明が一致していません。

もっとも,大阪家庭裁判所が発表・配布している「養育費・婚姻費用算定表についての解説」(調停時報155号掲載)では,

基礎収入は
総収入×0.34〜0.42(給与所得者の場合)(高額所得者の方が割合が小さい)
総収入×0.47〜0.52(自営業者の場合)(高額所得者の方が割合が小さい)

と説明されていますので,判例タイムズ1111号291頁の数字は誤記だと思われます。

「算定方式」と算定表との照合

高額所得者の基礎収入割合は本当に給与収入34%・自営収入47%か?

給与収入2000万円と自営収入1409万円が同じ

算定表を見ますと,給与収入2000万円と自営収入1409万円の場合が同じ扱いになっています。算定表で金額が一番高い場面ですから,作成者の説明や大阪家庭裁判所の解説にしたがえば,基礎収入の割合は最も小さいはずです。給与所得者では概ね34%,自営業者では概ね47%になるはずです。

ところが,計算してみますと,

  • 2000万円×34%=680万円
  • 1409万円×47%=662万2300円

となり,だいぶ開きがあります。

2000万円×33%=660万円ですから,33%の方が近い結果が得られます。

算定方式による計算結果と算定表は一致するのか?

また,たとえば,義務者の給与所得1975万円,権利者の所得0円,子3人(いずれも15〜19歳)の場合を調べてみます。
義務者の給与所得1975万円で基礎収入割合34%とすれば,基礎収入は671万5000円となります。

このときの子3人(いずれも15〜19歳)の養育費は,

義務者の給与所得1975万円で権利者の所得0円のときの養育費の計算

算定方式による計算結果は,40万8344円となります。

ところが,算定表(この場合の算定表は,表9)の結果を見ると,算定表の結果は,「38〜40万円」となっています。

このように見ると,どうやら,算定表は,作成者の論考どおりには作られていないようです。

大阪家庭裁判所に質問してみました

そうはいっても,表を作ってあるからには,

  • 給与収入2000万円または自営収入1409万円 のとき,基礎収入  ?  円
  • 給与収入1975万円または自営収入1391万円 のとき,基礎収入  ?  円
  • 給与収入1950万円または自営収入1375万円 のとき,基礎収入  ?  円
  • ……

という金額があるはずです。

「解説」を配布している大阪家庭裁判所なら,わかっているはずと思い,私弁護士木下貴子が,大阪家庭裁判所に尋ねてみました。

その回答は……
なんと……

わかりません

ということでした。
「目安ですから……」と。

(大阪家庭裁判所の皆様,調べていただき,ありがとうございました。)

表と一致しない「解説」を配布し,ずれの説明が「目安」で済まされているのが,養育費・婚姻費用算定表の実態なのです。

東京・大阪養育費等研究会が発表した論考の算定方式どおり,大阪家庭裁判所の「解説」の説明どおりに算定表が作成されていると信じている弁護士や裁判官が多いのではないかと思うのですが……。

裁判所の算定表の分析の実施

このように,「算定方式」にしたがって計算した結果と,「算定表」の額は一致しない,その理由を裁判所も把握していない,ということがわかりました。

そこで,多治見ききょう法律事務所では,コンピュータプログラムに詳しい弁護士に協力してもらい,算定表の基礎収入はいくらなのか。つまり,

  • 給与収入2000万円または自営収入1409万円 のとき,基礎収入  ?  円
  • 給与収入1975万円または自営収入1391万円 のとき,基礎収入  ?  円
  • 給与収入1950万円または自営収入1375万円 のとき,基礎収入  ?  円
  • ……

の「?」の部分の金額の解明をめざしました。

分析の結果

算定表は,表1から表19まで19種類,各表が41マス×81マスの3321マスでできていますので,全部で3321×19=63099マスあります。
コンピュータプログラムでの分析の結果,63099マスのうち,2マスを除く63097マスについて,算定表の結果と一致する基礎収入組み合わせが存在することがわかりました。

一致させることができなかったのは,「表10 婚姻費用・夫婦のみの表」の

  • 権利者「給与収入775万円または自営収入559万円」と義務者「給与収入925万円または自営収入657万円」のマス
  • 権利者「給与収入800万円または自営収入575万円」と義務者「給与収入950万円または自営収入674万円」のマス

の2マスで,算定表の「2〜4万円」の枠に入りませんでした。(計算の途中での端数処理によるこの2マスの一致の可能性を探っても,無理だったそうです。)

基礎収入の組み合わせは1つには絞り込めませんでしたが,19種類の表を2マスを除き説明できるものです。この2マスを除いて計算結果の誤差を算出すると,極端な可能性を想定しても483円の差に留まります。

養育費算定表の基礎収入割合の真実

所得が多いときの給与所得の基礎収入割合は33.2%程度,所得が多いときの自営収入の基礎収入割合は47.2%程度になるようです。

算定表の基礎収入を説明するなら,

基礎収入は概ね

総収入×0.33〜0.42(給与所得者の場合)(高額所得者の方が割合が小さい傾向にある
総収入×0.47〜0.54(自営業者の場合)(高額所得者の方が割合が小さい傾向にある

というのが,正しい説明ということになります。

養育費算定表の分析結果の活用

養育費算定表は2万円区切りになっています。計算結果が8〜10万円(「8万円以上10万円未満」なのか「8万円超え10万円以下」なのかという問題はありますが)のときに「8〜10万円」となるようにできていることが,想像できます。

たとえば,「表4 養育費・子2人表(第1子15〜19歳,第2子0〜14歳)」を例に表を見てみましょう。

オレンジ色の□と,黄緑色の□の印を付けました。

これらの位置を縦で見ると,どちらも,「8〜10万円」の枠の最も下にあります。

弁護士などの専門家に,養育費の額がいくらが妥当かを相談すると,次のような答えが返ってくるのではないかと思われます。

  • 「養育費算定表にあてはめると,8〜10万円の枠の最も下ですから,8万円が相場ですね。」
  • 「養育費算定表にあてはめると,8〜10万円の枠の下の方ですから,8万円から8万3000円ぐらいですね。」

算定表を見ると,確かにそのような位置にありますから,回答に違和感はありません。オレンジ色にあてはまる場合も,黄緑色にあてはまる場合も,同じような答えが返ってくるものと思われます。

多治見ききょう法律事務所では,分析結果の中から適正な基礎収入組み合わせを選び出して計算し,数字を入れた養育費算定表(非公開)を作りました。その算定表を見てみましょう。

オリジナル算定表で比較した場合の差

オレンジ色と黄緑色は,実際には4000円ほどの差があることがわかります。
養育費をもらう側(権利者)が,黄緑色の場合に8万円が相場だと思って,8万円で合意してしまうと,4000円の損とも言えます。1年間で4万8000円,10年分にすると48万円も違ってきます。
逆に,オレンジ色の場合に,養育費を支払う側(義務者)が8万3000円で合意してしまうと,3000円の損とも言えます。

公表されている養育費算定表を見ただけでは,この違いはわかりません。ほとんどの専門家は,この違いに気付かないままアドバイスをしていることでしょう。

分析結果をふまえた数字入り養育費算定表を用いることで,きめ細かなアドバイスができるようになりました。

算定表の枠を横に見るという発想

数字入りの算定表がなくてもできることがあります。左右(横)にも算定表を見るのです。黄緑色の□は,左右で見たとき,「8〜10万円」の枠の右から2番目です。一番右が,ワンランク下の「6〜8万円」に最も近いわけですから,右から2番目の黄緑色の□の場合は「8〜10万円」の下限ぎりぎりにはならないはずということがわかります。

つまり,上下(縦)に見た場合,「8〜10万円」の枠の一番下になる場合であっても,左右(横)にみた場合に,右端ではなく,同じ金額にあてはまる枠が右隣にもある場合には,8〜10万円の内,やや9万円に近い数字になる,ということです。

子供が4人の場合の養育費・婚姻費用算定表

子供が4人の場合の養育費・婚姻費用算定表には,数字を入れた形で公開しています。以上をふまえて,多治見ききょう法律事務所オリジナル「子供が4人の場合の養育費・婚姻費用算定表」をご活用ください。

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