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最終更新日:2023年5月5日
親権は,「親」の「権」利という漢字を使っていますが,義務を中心としたものと考えられています。
義務を中心として親権を捉える考え方にもいろいろありますが,私は,親には自分の子を監護・教育する(健全な社会人に育てあげる)義務を果たすことができるという権利があり,それが親権の本質である,という説明に共感します。
子供を健全な社会人に育てる義務を負っている親権者に,私にこの子を育てさせてくれ,私がこの子を健全な社会人に育てているのに余計な干渉をしないでくれ,と言う権利もある,という感じです。
児童虐待が深刻な社会問題となってきたことをふまえ,平成24年4月1日に民法の改正法が施行され,その改正民法では,それまでになかった「子の利益のために」親権を行うことが明示され,誤解の生じやすい親の子に対する支配権ではないことを確認しています。
また,令和4年12月16日施行の民法の改正法により,従前,「親権」の一部とされていた「懲戒権」に関する規定は削除されました。これに伴い,子の監護及び教育における親権者の行為規範として,子の人格の尊重等の義務や,体罰などの子の心身の健全な発達に有害な影響を及ぼす言動の禁止も民法上明記されました。
これら改正により,いっそう,「親権」を,親としての権利を振りかざすことではなく,子どもの健全な心身の発達のためにサポートする義務であって,その範囲で他者から邪魔されずに権利を行使できるという趣旨と捉えるべきことになります。
自分の子を健全な社会人に育てあげる際に用いる方法は,各家庭の家訓,信じている宗教など様々でしょうが,それが子供の利益のためになされている場合には,親権者に広い裁量を認め,他の方の干渉は許されないことになります。他方で,「子の利益」とは認められない,親権者としての裁量を越えている場合には,児童相談所などが介入して子供を保護することになります。もっとも,その境界は意外に難しいと感じます。
現在の日本の民法では,両親が夫婦として婚姻しているときは共同で親権を行使することになっていますが,両親が婚姻していないときや離婚したときには親の一方が親権を行使することになっています。
親権の有無にかかわらない父母としての権利もあり,面会交流権は,親権者でない親にも認められます。
親権の中身は,大きく,監護権(身上監護権)と財産管理権に区分できます。
結婚している夫婦の間の子について,両親が離婚するときは,どちらが親権を行うかを決めなければなりません。
夫婦で協議して決めることができますが,協議で決められないときには,裁判所に決めてもらうことになります。
裁判所は,どちらが親権者となるのが子供に良いかを検討し,判断します。
15歳以上の子であれば子供の意見も聞いて尊重しますが,裁判所は,幼い子供の意見は聞きません。親を選ばせることは子供にとって酷いことだからです。子供自身に対して親からの暴力があるなどの場合を除き,多くは両親が離婚するというだけで子供には苦痛ですので,離婚するときの子供への害悪は最小限にとどめる努力が必要です。
親権者となることを希望するとき,子供を懐柔しようなどと考えず,自分の方が親権者となるのにふさわしいことを,自らの過去の養育実績と養育計画をもって裁判所に伝えるのが公正です。
働いていなくても,妻(母親)が親権を取れるのでしょうか。
精神的な病気(パニック障害・うつ)がありますが,親権は取れるのでしょうか。
親権者は母親が有利と聞いたことがありますが,父親でも親権者となれるのでしょうか。
との質問がよくあります。
実際に離婚のとき子供の親権者となるのは,夫(父親)と妻(母親)のどちらが多いのでしょうか?
令和3年に離婚した夫婦の子供の親権者は次の通りとなっています。80%を超える割合で妻(母親)が親権を取得していますが,父親も親権者になっていることがわかります。
80%を超える割合で妻(母親)が親権を取得しているという状況からは,働いていない・病気などの事情のある妻(母親)も多く親権者になっていることがわかります。
親権者となることを希望される方からご依頼のあるときは,弁護士は,過去の養育実績と養育計画を示して裁判所に親権者としてふさわしい理由を説明するお手伝いをいたします。
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