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離婚調停Q&A

(長期別居中の夫に財産を持っていかれるのか)
Q 子供を3人産み2人は大学を卒業し社会人です。残念ながら3人目の子供は幼くして亡くなりました。夫は気が短く,反論すると平手で殴ることがしばしばありました。別居を決意したのは娘が亡くなったのを,お前のせいとの暴言を言われ,精神的に参ったからです。今から15年前に,別居し,家庭裁判所で調停を行いましたが不成立に終わりました。夫はあまり働いてくれず,家計はいつも苦しい状況で,私が働いて生活してきました。別居後も,夫からは生活費をもらわず,一人で子供たちを育ててきました。
最近になって,離婚しないと私の財産を夫に持っていかれるかもしれない,老後の夫の面倒を看なければいけないかもしれないとの話をききましたが,どうなのでしょうか?
そのため,最近,再度話をしましたが,離婚に応じてくれません。
このような状況の場合,どうしたらいいでしょうか?
A  この場合,別居後に得た収入,財産は夫婦の協力によって得た物ではないので,離婚する場合に財産分与の対象とならないのが原則です。つまり,離婚時に分ける財産にはなりません。しかし,15年前の別居当時にはどれだけ財産があったのか,区別できるようにしておく必要があります。
夫の看護については,民法上,「夫婦は同居し,互いに協力し扶助しなければならない。」とされているので,夫が入院したり,生活保護の申請をするような場合には,法的には看護や,生活費の援助をする必要が出てきます。あなたに,無理矢理,夫の看護させることはできませんが,「法的な」義務を負っている状態ではあるので,金銭負担を請求される可能性があります。万一,あなたが亡くなれば,夫は相続人としてあなたの遺産を相続する権利もあります。その意味で,あなたの財産を渡したくないのであれば,離婚手続きを進めた方がいいでしょう。
手続きは,まず,離婚調停を行うことになります。到底話合いでの解決は難しいと思われるでしょうが,法律上,離婚手続きでは,裁判の前に調停をすることになっています(調停前置主義)。以前に離婚調停をしているということですが,15年も前のため,大きく事情も変更していることから,再度調停をしなければ,裁判をすることは難しいでしょう。形式的になるかも知れませんが,まずは,早急に離婚の調停申立をしましょう。そして,調停でやはり,話合いによる解決ができない場合には,早めに不成立にしてもらい,裁判手続きに進むのが良いでしょう。もしかしたら,不成立になったら,裁判に進む意思を明確に告げることで,離婚調停での話合いが進んでいくかも知れません。
私が代理人となった事案では,別居後40年以上経ってから離婚調停をしたけれど,合意ができず,裁判になったものもあります。裁判になる場合には,専門的知識が必須となりますので,弁護士に依頼すべきだと思います。
(事情説明書の「裁判所に要望があれば記入して下さい」の書き方)
Q 離婚調停を申し立てるときに,裁判所から「調停申立書」の他に,「事情説明書」を出すように言われました。末尾に「裁判所に要望があれば記入して下さい」とありますが,どんなことを書いたらいいでしょうか?
A  この場合の要望は,主に調停手続きの進め方に対する要望を書きましょう。養育費を○○円もらえるようにしてほしい,という「調停の中身」ではなく,「手続き」に関するものです。
例えば,現在は原則として,初回の離婚調停では,相手方と同席して,調停手続きについて説明を受けることになっていますが,顔を見るだけでもパニックになってしまう,というような場合には,夫(または妻)と同席での調停の説明は避けてほしいこと,その理由などを書くと良いでしょう。相手から暴力(DV)があって,住所を隠している場合などには,裁判所に相手と顔を合わせたくないので,呼び出す時間や帰る時間をずらしてほしい,待合室を分からないところに確保してほしい,などの要望を伝えることもできます。
子供さんのことについては,「中身」に関する内容が「手続き」に関係するので,これを書くことも可能です。子供さんととしばらく会っていないので,今の状態が心配な場合など,裁判所の調査官の調査を希望したい,早期に面会を希望したい,など裁判所に伝えておくことで,離婚調停に調査官が立ち会うべきかどうか,裁判所も検討することになります。
以前は,「調停申立書」を相手方にそのまま送付することはなかったので,「申立書」に詳しく事情を書くという方法で,調停委員に事前に分かっておいてもらいたいことを伝えることができました。
しかし,今は,「調停申立書」はそのまま相手方に送られるので,詳しく書いて相手方の感情を悪化させると,調停での話合いがうまくいかなくなってしまうこともあります。また,相手方には知られたくない,けれど,裁判所(調停委員)には知っておいて欲しいこともあるでしょう。「付属書類」として出す「事情説明書」では,「調停申立書」にかきづらいことを書いておくという役目もあります。大阪の家庭裁判所の書式をみると,以前は「申立書」に書いていたことを「事情説明書」で書いてもらっている印象です。
ただ,「事情説明書」であっても,相手方から申請があると「見せます」とされていたり,「裁判所の許可」があれば見せます,とされている場合など裁判所によっても取扱いが違います。どのような場合に相手方が見る可能性があるのか,絶対に見せたくない場合には,提出する裁判所に事前に問い合わせをして,どこまで詳しく書くか,考えて書くのが良いと思います。
離婚調停(夫婦関係調整調停)の申立書,付属書類の書き方,注意点は,記事「失敗しない離婚調停申立書・付属書類の書き方」にも書いてありますので,参考にしてください。
(元妻が働けるのに働かないときの養育費)
Q 妻が働けるのに働かない(常に働いてほしいと言っていたけれども,勤労意欲が以前から無かった)。夫である私に借金があり算定表の額を支払うと,更なる借金を重ねなければ支払いが困難な場合など,養育費の金額を下げてもらえるのでしょうか?
A  養育費の金額は,現在「養育費算定表」を基に計算されることが一般的です(養育費算定表の詳しい使い方については,記事「養育費相場の計算方法~養育費算定表の使い方~」をご覧ください)。
この「養育費算定表」の使い方について,大阪家庭裁判所の解説があります。
その資料のQ&Aによれば,「働けるのに働いていない場合,収入を0とするのは相当とは言えません。そこで,収入を推計して算出することになります」とされています。具体的には,定職に就いていた経験がある場合には,定職に就いた場合の平均的収入,すぐに定職に就くことができそうにない場合は,パートタイム労働者の性別・年齢別年間収入により収入を推計することが考えられる,とされています。
おたずねの場合でも,子どもさんが乳児・病気等で働けない場合などではなく,働けるのに働かない,と言える場合には,妻にも推定収入があることを前提に養育費算定表に当てはめることで,養育費の金額を下げられる可能性があります。
一方,借金については,同じQ&Aの中で,「一般的に負債が養育費の支払いに優先することは考えにく」いとされており,原則としては特別な事情として考慮されません。負債は,負の財産を分ける「財産分与」として考えることになります。(支払えない場合には,破産等も検討することになります。)例外的に,財産分与として借金の負担を決めずに離婚した後,養育費を請求された場合には,一部考慮することが考えられています。
無収入の場合や借金がある場合についての「養育費算定表」の使い方については,記事「収入変動大・無収入・借金あるときの養育費算定表の年収計算」にも書きましたので,あわせて確認してみてください。また,負債の中でも「住宅ローン」の負担をしている場合については,特別な計算となるので,記事「住宅ローン・家賃の支払を受けている場合の養育費の計算方法」に記載しています。
(大学卒業までの養育費)
Q 夫は,養育費を子供が成人するまで支払う,とは言ってくれるのですが,子供が大学に行く場合には,大学を卒業するまで支払ってほしいと思っています。どうしたら,調停で「大学を卒業するまで」にしてもらえますか?
A 調停は,話合いで決める手続きなので,夫が「大学卒業するまで」支払うことに納得してくれないと,調停で合意することができません。そのため,調停委員から説得してもらうことになりますが,現在の裁判所の運用では,養育費の支払終期について,一般的には成人までとされています(以前は,18歳までというものも多かったです)から,調停委員もなかなか説得する根拠が乏しいところになります。もっとも,これまでの裁判所の判断(判決・審判例)をみると,「大学進学が当然・相当」と言える状況にある場合は,例外的に養育費支払の終期を大学卒業までとされているものがあります。
その判断基準は,以下のようなことです。
  1. 両親等の学歴両親,兄弟その他の親戚の多くが大学に進学している……認められやすい
  2. 子供の進学希望・両親の進学への意向
    子供が大学を進学したいと思っており,両親も賛成……認められやすい
  3. 両親の経済力
    両親の収入,保有資産からすると,大学進学の費用を負担をする余裕がある……認められやすい
  4. 父母の資格を活かした家業を継ぐ必要性
    両親の家業が医師・弁護士などの資格が必要なものであり,子供も,その事業を承継するために学んでいる……認められやすい
そのため,相手方が成人までしか支払わない,と言われている場合には,上の1~4の条件にあてはめて,自分の事例が,子供が大学進学するのが当然です,と調停委員から説得してもらうことになります。
しかし,裁判例の中で,実際に,大学進学をしていない段階で大学卒業までの養育費を認めた事例は多くはありません。両親ともに,子供の大学進学を強く希望しているような例外的な場合になります。他に20歳以降も認められた事例のほとんどは,実際に子供が大学に進学した後に請求されているものです。
そのため,子供さんがまだ高校生以下であり,どうしても,夫が成人するまでしか養育費を支払わない,と言われた場合には,一旦,離婚調停の場では支払い終期を延ばすことは諦めて,子供さんの大学進学が決まってから(合格発表があってから),改めて,養育費の支払い延長の申立をする方向を考えるのがいいと思います。
なお,子供さんが成人してから請求する場合には,子供さんご自身から,父親への「扶養料の請求」という形になります。
この場合も,上の1~4にあてはまるかどうかがポイントとなります。片方の親が大学進学に賛成し,もう片方の親は反対していた場合には,認められていない事案もありますので,どこの大学に進学したのかも言わないけれど,突然養育費の延長だけを求める,ということではなく,養育費を継続的に支払ってもらいたい場合には,それまでの間に,どこの大学に行きたいのか,なぜ行きたいのか,など普段から両親や子供も交えて進学について話あう関係をつなげていくことも大切になります。
調停条項を作成する場合の注意事項としては,「成人に達する日の属する月まで」や「成年に達する日の属する月まで」とする条項も以前は多かったのですが,今後は「20歳に達する日の属する月まで」としておくことがいいでしょう。なぜかというと,今後は「成人」「成年」が20歳ではなく,18歳に変更される可能性があり,後に争いとなる余地が残るからです。
(養育費の支払終期の変更)
Q  養育費を18歳まで支払う,と離婚調停で合意したのですが,その後,子供が大学に行くことになりました。養育費の支払いを延長してもらうように言われて,驚いています。引き続き,支払わないといけないですか?どのような調停条項にしておけば良かったのでしょうか?
A 支払わないといけなくなる場合があります。例えば,18歳で高校を卒業した場合には,就職するはずであると考えて合意していたような場合で,その後大学に進学するという「事情変更」によって引き続き「扶養」が必要な状態になったと言えれば,養育費の支払を延長すべきことになります。
もっとも,相手方の不貞行為による離婚の場合に,相手方に慰謝料の支払いを求めない代わりに,18歳以降に子供さんが就職しなかったとしても,その後の養育費は「一切支払わない合意」をしたのであれば,状況は違います。裁判所は当事者での合意を重視しますので,原則として支払わなくて良いことになります。他にも,夫婦間の借金をこちらが背負う代わりに,そのような合意をした,と言える場合もあるでしょう。
この場合,調停条項で明確に定めておかないと,原則としては「事情変更」として延長が認められる余地があることになると思われます。
そのため,「18歳以降は一切支払わない」という合意をしたのであれば,調停条項に「本件は相手方の不貞行為による離婚であるため,子が18歳に達した場合は,その後,就職しているか否か,その生活状況を問わず,相手方が子の生活費の一切を負担するものとし,養育費の請求をしないものとする」などと定めておくと良いと思います。
ただし,この場合であっても,大人である両親の事情によって,子供さんの生活が困窮するのは不憫です。「養育費」は,子供のための権利なので,このように子供が生活に困窮するような場合には,子供さんからの請求によって,養育費の支払いの延長・変更が認められることもあります。
(面会交流の回数)
Q 子供との面会交流は,月何回,認められることが多いですか?
A 離婚調停で合意して決めているケースが多いと思われるので,裁判所(裁判官)が面会交流の回数を決める場合のデータとは言えないのですが,家庭裁判所の統計データによれば,月1回以上と決められることが多いようです。平成25年と平成26年データを比較すると,平成27年では月2回以上と決めた場合の割合が少し増加しています。
私自身が関わった案件でも,裁判所の審判で月2回の面会交流が認められていた事案がありました。以前は,月1回程度しか認められないことが多いと説明していましたが,今は面会交流の意義が重要視されてきているので,今後は場合によっては,月2回以上の面会交流が認められるケースも出てくるかもしれません。
お子さんの年齢によっても,認められる回数は違いがあります。幼少の頃は,半数以上が月1回以上の面会を認めていますが,年齢が高くなるにつれ,次第にその割合が低くなっています。お子さんが大きくなると,お子さん自身の面会への希望も重視され,お子さんの予定も増えるので,面会交流の時間を調整するのが難しくなるからだと思います。10歳程度以降は,月1回以上の面会を認めている割合が半数を切っているようですので,2~3ヶ月に1度程度の面会しか認められないケースもあり得ます。
おおまかな目安は,以上の通りですが,基本的な考え方は,親がどれだけ会いたいか,会わせたくないか,ということよりも,どのような面会方法・面会回数がお子さん自身にとって良いのか,「子の福祉」に資するのか,を重視することになります。お子さんの年齢,お子さんの意向,住んでいる場所の遠近など,面会交流の必要性・実現可能性を考えて,裁判所がどのような回数の面会を認めそうか,個別に検討することになるでしょう。

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この記事を書いた弁護士

執筆者木下貴子

木下貴子

多治見ききょう法律事務所所長

岐阜県多治見市で初の女性弁護士となり19年目。
離婚事件を中心的に取り扱い,これまでに受けた離婚のご相談件数は900件を超えます。ご相談は,親身,気軽,自分で決めるをモットーに対応しています。
離婚・夫婦に関する講演の講師も務めています。
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