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子供を連れた家出・別居後の子供の連れ去りへの対処法

  • 妻(夫)が子供を連れて家を出て行った(子連れ別居)
  • 別居後,子供と同居していたのに,妻(夫)が子供を連れ去っていった (子供の連れ去り)
  • 妻(夫)に子供を面会をさせてたら,子供を帰してくれなかった

などのご相談があります。

この記事では,弁護士として,これらの場合に,どのように子供を連れ戻したらよいのか,どのような場合に取り戻せるのか,重要な5つのポイントをお伝えします。

子供を連れた家出,別居後の子供の連れ去りに関するご相談の2分類

第1の分類〜「子供を取り戻して一緒に住みたい」

  • 妻が浮気をしたので,私が子供を引き取って妻と別居をしたのですが,その後,妻が妻の両親と一緒に来て子供たちを連れ去ってしまいました。どうしたら,取り戻せるでしょうか?
  • 子連れで別居したのですが,面会交流のときに夫が子供を帰してくれませんでした。どうしたら帰してもらえますか?
  • 離婚の話を出したところ,夫が突然,保育園に預けていた娘を連れていってしまい,そのまま帰ってきません。どうしたら,子供を取り戻せるでしょうか?
  • 双方共に親権を譲らず,離婚の話合いをしていたところ,ある日,私が仕事に行っている間に夫が自宅の鍵を変えて施錠し,私が家に入れなくなってしまいました。私が子供と一緒に住むにはどうしたらいいのでしょうか?

第2の分類〜「子供を連れた家出,別居後の子供の連れ去りと,親権者決定との関係を知りたい」

  • 夫に無断で,子供を連れて別居したら,調停や裁判で親権を取るのに不利になりますか?
  • 妻が勝手に子供を連れて家を出て,別居しました。一緒に住んでいる方が親権者となりたいときに有利と聞きましたが,このような勝手な行為が許されるのですか?犯罪にならないのですか?
  • 妻が子供を連れて家を出て行ってしまいました。話合いもせずに,子供を連れ出したので,私も取り返しに行っていいでしょうか?取り戻すと,親権者となりたいときに不利になりませんか?

この記事では第1の分類を扱います

そこで,この記事では,まず,第1の問題,具体的には「別居開始時に子供を連れて家を出られた(子連れ別居された),別居後に子供を連れ去られた場合に,どのようにして取り戻すことができるのか」という点を説明します。

第2の問題,「別居開始時に子供を連れて家出された場合や別居後に子供を連れ去られた場合に,親権の決定にどのような影響があるのか,どのような行動が「親権者」の決定に有利・不利に働くのか」については,別記事「妻(夫)に子供を連れ去られると親権を取るのに不利となるのか」でお伝えしています。

連れ去られた子供を取り戻す方法

1 子の引渡しの審判・保全処分

別居開始時に子供を連れて家を出られた,別居後に一緒に住んでいた子供を連れ去られた場合,子供を取り戻すための方法は,子供を返してくれるよう裁判所に申し立てること,つまり「子の引渡し」請求を裁判所に申し立てることです。

「子の引渡し」の手続きには,

  1. 子の引渡しの調停
  2. 子の引渡しの審判
  3. 子の引渡しの審判前の保全処分(仮の引渡し)

があります。cの審判前の保全処分は,aの調停かbの審判と組み合わせて申し立てる必要があり,cを単独で申し立てることはできません。

この中で,bとcの組み合わせが適切です。

調停のデメリット

できるだけ早く子供を取り返したいという場合には,調停はおすすめできません。

なぜかというと,調停は,1回目の調停期日(裁判所で話をする日)が申立ての約1ヶ月後になり,その後,約1ヶ月〜2ヶ月間隔で調停期日が入るようなゆっくりした手続きだからです。

しかも,調停は,申立人と相手方の間に裁判所が入って話合う手続きですから,調停手続きの中で裁判所が結論を下すということはありません。調停が合意できずに不成立になると,審判の手続きに移り,裁判所が判断をするという流れになります。

調停で話し合っているうちに数ヶ月経ってしまうのは普通です。夫婦間で離婚調停も行っていると,一緒に進められて,もっと期間がかかってしまいます。そして,その間に,子供を連れて行った相手方のところで,相手方と子供が同居する生活パターンに,子供がなじんでいってしまいます。

調停で合意ができないと,その後に審判の手続きに移りますが,その時点では,今更子供を戻して生活環境を変えるのは,子供を不安定にさせるので,子供の利益にならない(福祉に資さない)との判断になりやすいのです。

審判と審判前の保全処分の組み合わせのメリット

これに対して,審判とその審判前の保全処分は,いずれも,裁判官に結論を出してもらうよう求めるものです。

審判手続きは,申立人と相手方の両方の言い分をしっかりと確認し,証拠を調べて,子供を戻すかどうかを判断します。そのため,結論としての審判が出るまでに数ヶ月の期間がかかります。

一刻も早く子供を戻してもらうために,正式な審判の前に,仮に一旦返すという判断をしてもらいたい,という申立をすることができます。これが,審判前の保全処分です。

重なる部分が多いので,両方の申立てを行っておくことで,(仮に)引渡す(子供を戻す)かどうかの判断が早くなります。子供を連れ出した状況によって,進行速度の違いはあると感じますが,保全処分の申立がある場合には,概ね1ヶ月以内のできるだけ早い時期に期日を入れて当事者の事情を聞くなど,裁判所の判断に向けた具体的な手続きが進められることが多いでしょう。

申立方法

詳しい申立方法,手続きについては,別記事「妻(夫)に連れ去られた子供を取り戻す手続きとその注意点」をご覧ください。

2 子供を取り戻す他の方法

人身保護請求手続はどうか

過去には「人身保護請求」という手続きも使われていましたが,現在は,まだ離婚していない,婚姻継続中の夫婦間における連れ去りの場合に,この手続きの利用をほとんど認めていないのが,裁判所の実務です。

もっとも,子の引渡しの審判にも従わないというような場合ですと,利用できる場合があります。

裁判所の手続きによらずに自分で連れ戻してくるのはどうか

別居している相手方の所に行って子供を連れ戻してくるということも,原則として許されません。

なぜかというと,同居していた状況から,相手方方で住む状況が一度成立すると,その状況での安定を保護しよう,という「法の考え方」があるからです。法治国家である日本において,法的な手続きを取らず,自力で回復することは,自力救済を禁止している法の考え方に反します。つまり,これを繰り返すと,実力行使によって,回復することを認めることになってしまい,子供の奪い合いなどが繰り返され,子供自身の心身を傷つける恐れがあるだけで無く,法で解決する平穏な日本社会での生活を全体として損ねてしまうからです。

しかし,相手方は勝手に子供を連れ出したのになぜ自分は許されないのか?という疑問と怒りも多いと思います。
例えば,連れ去った相手方が子供に暴力をふるう可能性が高い場合や,食事も取らせていないことが明らかな場合,小学校の中学年程度で,はっきりとこちらに戻りたい,今すぐ連れて行って,家に帰ったら,もう二度と出てこられない,と言っているのに連れてくることもできないのでしょうか?
このようなケースでは,子供の人権(健康で安心した生活を送れる権利)を守るため,例外的に緊急的な対応が許される場合もあると思います。どのようなケースで許されるのかの判断はとても難しいですし,最後はご自身の責任となりますが,迷う場合には,弁護士の意見を聞いた上で,判断すると良いと思います。
一般的には,相手方が連れ去った経緯(子供に正確な情報を与えず連れ去ったのか,暴力的な行為があったのか),連れ去られてからの相手方での生活状況(子供への虐待に当たりうる行為があることが明白なのか),連れ去られてから相手方と同居し始めてからの期間,子供の意思(ある程度判断ができる年齢となれば,子供の意思に反する連れ去りは難しいです)から,判断されることになるでしょう。
裁判所に手続きによらずに自分で子供を連れ戻す場合の中でも,同居していた状況から子供と一緒に家を出た相手方の所から連れてくる場合と,一旦は自分が子供を引き取って別居をした後に,相手方に子供を連れ去られたために,再度取り戻す場合とは,自力で取り戻す行為が非難される度合いは違うはずです。後者の場合には,相手方も,自力救済の禁止に違反しているからです。

3 子の引渡しの調停・審判・審判前の保全処分の申立をすることのデメリット

子供を取り戻す手段として,有効かつ法的に認められている方法は,子の引渡しの調停・審判・審判前の保全処分ということになりますが,審判を経ても引渡しが認められない可能性はあります。
認められないときには,子供の引渡しを受けられないという点では,申立をしなかった場合と同じことになります。しかし,他の点で,申立をしなかった場合と比較したデメリットが残ります。
それは,相手方(別居している妻,夫)の感情を害する,ということです。裁判所への申立は,自力救済と比べれば,とても穏当な手続きで,何ら責められるものでは無いのですが,裁判所に訴えられた,という感覚を持つ人も多いものです。また,その対応をしなければならないことで,別居しても子供と落ち着いた生活ができないことになるため,怒りを感じたり,不安に思ったりし,そうなったのは申立をしたあなたのせい,とあなたに対して不信感を感じることがあります。

不信感を持った相手方が,今後,子供とあなたを面会させることを認めたくない,認めたとしても,できるだけ少ない頻度にしたい,と思うことにつながることにもなります。
もし,会わせたら,子供を連れて行こうとするかも知れない,などと不安に思うからです。

そのため,子の引き渡しが認められる可能性が低い場合には,この「リスク」に注意する必要があるでしょう。

4 子の引渡しが認められないときのリスクを踏まえた対応の仕方

もっとも,子の引渡しの申立をせずにいた場合,時間が経過すればするほど,後に子供を取り返すことは難しくなりますので,可能性が低くても挑戦したい,どうしても取り返したい,という場合には,リスクがあったとしても,申立をする,という方法もあると思います。
本当に子供を引き取って育てたいのか,会うことができれば良いのか,子供にとって最も良いのはどのような方法か,取り戻せる可能性はどの程度ありそうなのか,などの判断に迷う場合には,弁護士に相談して方針を決めるのが良いと思います。
子供を取り戻せない可能性も高い(リスクが高い)場面で,それでも子の引渡しの申立をする場合には,相手の感情を害しすぎないような申立書の書き方,話し方の工夫も必要でしょう。
申立が認められるか認められないかにかかわらず,まずは,早期に子供と面会させてほしい,という気持ちを伝えることも大切でしょう。

5 子供を連れ戻すために重要な5つの要素

認められないときのリスクを覚悟した上で申立てをするとしても,無謀な挑戦にならないよう,どのような場合が,子の引き渡しが認められにくいか,どのような場合に子の引き渡しを認めてもらいやすいのか,あらかじめ把握しておくことが有効です。
その基準は一律ではありませんが,一般的には以下のような項目で検討して,総合的に判断されるでしょう。

(1)連れ出した状況

子連れ別居のように別居開始時に相手方に子供を連れて出られた場合は,相手方に別居後に自分と同居している子供を連れ出された場合に比べて,子の引渡しが認められる可能性が低いです。

その理由は,外から来て子供を連れ出すときには何らかの強引な手段を伴うのに対し,子連れ別居の場合は,穏やかに連れて出ることが多いからです。前者は自力救済の禁止に反することが明らかなことも多いので,認められやすくなります。特に,連れ去りのときに,養育している親の所から暴力的に無理矢理奪っていかれた場合,突然車で連れ去られた場合など,連れ去り行為が悪質なときには,認められやすくなります。

また,子供を連れて家を出ていった場合の中でも,事前に話合いをせずにある日突然出て行ったというときと,話合いをしたけれど,双方共に親権を譲らず,やむを得ないこととして子供を連れて家を出ていったというときとでは,後者の方が子の引渡しが認められにくいことになります。

(2)相手方が連れ去ってからの養育期間

相手方が連れ去ってから,時間が経過すればするほど,認められにくくなります。
相手方に主な養育者としての実績ができ,子供と相手方との同居生活が安定してくるので,今更,元に戻すことは子供の負担になると思われやすいためです。

(3)主な養育者は誰だったか

子供を連れ出した親が,それまでに主に養育していた親であった場合,認められる可能性は低くなります。別居すると決意した際,それまでに自分が主に子供を養育してきたのに,放置して出て行けば,子供の世話が不十分になり,子供にとって大きな不利益にもなります。母乳で育てていた乳児を連れて母親が家を出るようなケースが典型的な例です。そのため,このような場合には,主に養育していた親が子供を連れて行くことは,やむを得ないとの判断につながりやすくなります。。
以前と比べると男性が養育に関わることが多くなってきましたので,今後は変わるかも知れませんが,日本ではまだまだ母親が主な養育者となっていることが多く,そのために,母が子連れで家出をして別居する場合の夫からの引渡し請求は認められないことが多いです。

別居後の連れ去りの場合は,連れ去り時点で,同居していた親が主な養育者としての役割を果たしていることが多く,連れ去ることに必要性がない場合には,子の引渡しが認められる可能性は高くなります。

(4)現在の養育環境で特別な問題があるか

連れ出した親と子供が生活している場合に,学校にも普通に通い,食事も取らせているなど,今すぐに子供を戻さなくとも子供にとって特別な問題は生じないとされる場合には,認められにくいことになります。
今のままでも子供にとって大きな不利益は無いので,そのままにしておいて,離婚で親権者を決めなければならないようになれば,そのときに,離婚手続の中で誰を親権者とするのか決めればいいとの判断になりやすいからです。

(5)引き取り後の養育環境が確保できるか

子供を取り戻せたとしても,支障なく養育できないような場合には,子の引渡しは認められにくくなります。
(2)の主な養育者が誰だったかにも関係しますが,元々主に養育していた親であれば,養育環境を確保できると言いやすいでしょう。
主に養育していたとはいえない場合でも,自分の両親とも同居していて家事を分担していたなど,引き取れば,自分と両親が分担することで養育できるというような場合は,支障がないと言えます。

以上のような重要ポイントを確認して,子の引渡し審判の申立てが認められる可能性の程度を把握し,リスクを踏まえた対応を考えるようにしましょう。

続けて,第2の問題,子連れ別居・別居後の子供の連れ去りが「親権」に与える影響,子連れ別居や別居後に子供を連れ出された場合にどのような行動が「親権者」の決定に有利・不利に働くのかについての別記事「妻(夫)に子供を連れ去られると親権を取るのに不利となるのか」もご覧ください。

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