多治見ききょう法律事務所は岐阜県多治見市・土岐市・瑞浪市・恵那市・中津川市・可児市・美濃加茂市の中小企業・家庭の法律問題を重点的に取扱っています

電話でのご予約・お問い合わせはTEL.0572-26-9852

〒507-0032 岐阜県多治見市大日町41-1

生活費(婚姻費用)を過去にさかのぼって支払ってもらえるか

生活費(婚姻費用)を支払ってもらえない場合にすべきこと

夫(妻)と別居すると,それまで支払ってくれていた生活費を支払ってもらえなくなることがよくあります。妻が,夫の給与の振り込みがある預金通帳を管理していた場合には,その引き出しを止められてしまったり,給与振込先を変更されてしまう,ということもよくあります。
生活費(法律用語では,これを「婚姻費用」と言います)を支払ってもらえなくなると,これまでのような生活をすることができず,困ることがあるでしょう。特に,子どもさんと一緒に家を出たような場合には,子どもさんの生活費が無いと,とても困るでしょう。

その場合に,すべき事は,相手方に,生活費(婚姻費用)を請求することです。

同居中であっても,生活費(婚姻費用)を支払ってもらえない場合には,同じように,相手方に生活費(婚姻費用)を支払うように請求することはできます。(ただ,この場合には,同居することによって,水道光熱費,家賃などの住居費,食料を買ってきてくれることによる食費などの負担してもらっていることもありますので,どの程度負担してもらっているのか,試算してみましょう。)

しかし,請求しても,すぐに支払ってもらえないことも多いです。
なぜなら,相手方は別居に納得していなかったり,こちらの金銭管理,支出に不満を持っていたりするためです。また,請求された金額に納得できない場合もあります。

そのために,支払ってもらえないままの期間がひと月,またひと月と過ぎていってしまいます。
そして,「請求方法」によっては,この支払ってもらえなかった過去分を支払ってもらうことが難しくなりますので,注意が必要です。

生活費(婚姻費用)を支払ってもらうための請求方法

まずは,できるだけ早い調停申立

相手方から生活費(婚姻費用)を支払ってもらえない場合には,できるだけ早く,家庭裁判所に生活費(婚姻費用)を請求する調停(「婚姻費用分担請求調停」といいます)の申立てをしましょう。

この方法が,支払ってもらえないまま貯まる生活費の支払を認めてもらえる確実性が最も高い方法です。

例えば,1月から生活費(婚姻費用)を支払ってもらえていなかった場合に,9月になってから調停の申立てをすると,裁判所は,申立てをした9月分からしか生活費(婚姻費用)を認めてくれないことが多いです。そのため,1月から8月分については,相手方が自分から積極的に支払うと申し出てくれればいいのですが,そうでなければ,支払ってもらえないままになってしまうことになります。

しかし,婚姻費用分担請求調停申立にはデメリットもあります。

調停で請求する場合のデメリット

調停では,現在は,裁判所が採用している婚姻費用算定表の基準額にしたがって,支払金額の合意をするよう進められることが多く,そのために,思っているよりも低い金額になることがあります。この場合に,裁判所の調停によらずに交渉すると,相手方がその基準額より多めに支払ってくれる可能性があるのであれば,まずは交渉をしてみるという選択もあると思います。(離婚を希望して離婚調停をするときには,同時に婚姻費用分担請求調停申立をすべきかどうかが問題となります。そのメリット,デメリットについては,別記事「婚姻費用分担請求調停を離婚調停と同時に申立てるか?」をご覧ください。)

離婚を希望していない場合には,「裁判所」という場所を利用する手続きをして相手方の感情を悪化させたくないという場合もあるでしょう。
また,仕事の調整が難しいなど,調停の出席の負担を避けたいということもあると思います。
その場合に,調停申立をしないで,婚姻費用が支払ってもらえないままになってしまうというリスクを避ける方法はあるでしょうか?

内容証明郵便を使って請求する方法

この点について,近時の裁判所の決定で,過去に支払ってもらえなかった分についても,生活費(婚姻費用)の支払を認めた事例があります。

それは,内容証明郵便(郵送した文書について,その内容を郵便局が保管して,このような内容であった,ということを証明してくれる制度です。詳しくは,郵便局に確認して下さい)によって婚姻費用を請求した事案です。(東京家裁平成27年8月13日審判)。

この事案では,平成25年に別居し,平成26年1月に内容証明郵便にて生活費の請求をしています。その後,支払が無かったため,2月には婚姻費用分担の調停申立をしました。
そして,裁判所は,内容証明郵便を送付した1月からの生活費(婚姻費用)の支払請求を認めました。

そのため,調停の申立をしていない場合であっても,内容証明郵便を使って請求することで,支払ってもらえなかった期間の生活費(婚姻費用)について,さかのぼって支払ってもらえる可能性があり得ます。
もっとも,この事案でも,別居から内容証明郵便送付までの期間についての婚姻費用の支払請求は認められていないので,はっきりと請求することが大切になります。

調停申立によらずに請求する場合の注意点

もっとも,「内容証明郵便」は通常の手紙などと比べると威圧感を感じる文書ですので,相手方の感情を悪化させることがあり得ます。そのため,離婚を希望していない場合には,注意が必要となり,避けた方が良いときもあります。

調停申立によらずに「内容証明郵便」を使う意味は,生活費(婚姻費用)を請求する「意思」をはっきりと伝えたという証拠を,裁判所に示すことです。
その意味では,「内容証明郵便」よりも,威圧感が低い方法,例えば,メールで請求してメールを残しておく,電話で請求して録音を残しておく,などの方法でも,「請求の意思を明確に伝えたこと」を後に裁判所に証拠で示すことができれば,その時点からの婚姻費用支払を認めてもらえる場合もあります。

しかし,請求方法が温和であるほど,その意思がどこまで本気なのか,本気なものとして伝わっているのかという問題が生じてきます。それがために,支払が認めてもらえる可能性が低下するおそれがあることに注意が必要です。

また,これらの方法をしてから,婚姻費用分担の調停を申し立てるまでの期間の長さにも注意が必要です。

例えば,請求をしても支払われず,支払がなされないまま3年が経ち,3年後に婚姻費用の調停申立をした場合を考えてみます。
この場合には,いくら内容証明郵便で明確に請求をして,証拠を残しておいたとしても,裁判所が3年前からの分の支払を認めてくれる可能性は低いと思います。
裁判所は,多額の婚姻費用を一度に支払うことになる相手方の負担があまりに大きく,他方で,それまで調停申立をせずとも何とか生活してこられたのであるから今更遡って認めなくても問題ないだろう,ということから,さかのぼった請求を認めない判断に傾きやすいのです。

そのため,調停申立をせずに,内容証明郵便等で婚姻費用を請求する場合であっても,速やかに調停の申立をすることを意識しましょう。裁判所に認めてもらえる期間に基準があるわけではありませんが,感覚的には,調停申立前数ヶ月程度までかと思います。

まとめ

生活費(婚姻費用)の支払いが無い場合には,メリット,デメリットを踏まえて,タイミングを考え,調停の申立をすることが有効です。
迷う場合には,一度,弁護士に相談して,そのタイミング,請求する場合のリスクなどを尋ねてみると良いでしょう。
先ほどの東京家裁の審判の事案については,他にも「婚姻費用」の計算方法として,参考になる点がありますので,この点は,また別の機会に書きたいと思います。

関連記事

岐阜県東濃(多治見市,土岐市,瑞浪市,恵那市,中津川市)・中濃(可児市,美濃加茂市,加茂郡,御嵩町)地域の生活費(婚姻費用)分担の問題で,弁護士をお探しなら,多治見ききょう法律事務所(弁護士木下貴子,弁護士田中敦)にご相談,ご依頼ください。

岐阜県多治見市大日町41−1
営業時間(相談時間,予約電話受付時間)
 平日(月〜金)(祝日を除く) 午前9時15分〜午後5時
電話 0572-26-9852
相談予約専用メールアドレス tajimi.law@gmail.com

多治見ききょう法律事務所

  • 弁護士 木下貴子
  • 弁護士 田中敦 
  • (岐阜県弁護士会所属)

〒507-0032

岐阜県多治見市大日町41-1

営業時間(相談時間・予約電話受付時間)

平日(月〜金)(祝日を除く)

午前9時15分〜午後5時

TEL 0572-26-9852

FAX 0572-26-9853

相談予約専用メールアドレス

tajimi.law@gmail.com

主な対応エリア

  • 岐阜県
  • 多治見市
  • 土岐市
  • 瑞浪市
  • 恵那市
  • 中津川市
  • 可児市
  • 美濃加茂市
  • 可児郡御嵩町
  • 加茂郡(坂祝町
  • 川辺町
  • 七宗町
  • 白川町
  • 富加町
  • 八百津町
  • 東白川村)
  • 岐阜市
  • 各務原市
  • 愛知県
  • 名古屋市
  • 瀬戸市
  • 春日井市
  • 小牧市
  • 尾張旭市
  • 長久手町