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長男のみなさん,長男の妻のみなさん,親の介護をしても,親の遺産を全て相続できないのは知っていますか?
法定相続分を知識と知っている方なら,全て相続できないのは知っているよ!
それでも,「寄与分」という制度があって,被相続人に貢献した人は遺産を多くもらえるのでは?との答えが返ってきそうです。
しかし,実際の審判では,いわゆる「療養看護」を寄与分として算定している事例は多くない,というのが実感です。
「寄与分」が認められる寄与は,一般的に「被相続人との身分関係に基づいて通常期待される程度を越える特別の寄与であること」とされており,ある程度自立した親との同居,施設入所をし,その施設への訪問程度では「特別」と認められず,「かなりの負担を要するもの」と捉えられています。また,民法には,「財産の維持又は増加について特別の寄与をした」と書かれていますので,親の幸せのために苦労をしても「財産の維持又は増加」と関係がなければ寄与分となりません。
さらに,寄与分が認められたとしても,介護の「財産の維持又は増加」への影響が算定しにくいため,かなりの苦労をしていても,寄与分は少額にとどまりがちです。
しかも,寄与分は遺産分割をするときの制度であるため,裁判所に「寄与分」の判定を任せるのではなく,「生前贈与」や「遺言」で財産を与えることにすると,「寄与分」は認められなくなります。「遺留分」の制度(おおざっぱに言うと,相続人の相続期待権を一定範囲で保護するもの)があるため,20年以上にわたる長期間,介護にあたってご苦労をされたとしても,他の相続人の「遺留分」に食い込むような財産の取得は認められなくなります。
分かりにくいので,具体的事例で考えましょう。
……なので,遺言書を書くことで400万円分は介護をしたAが報われた形になりますね。
そのためにも,「遺言書」を書いておくことは大切です!
……しかし,実際には,Bが全く生活費をもらわずAを介護してきた場合,こんな疑問や不満はないでしょうか。
施設に入所すれば月10万円程度は電気代などの光熱費,食費,施設利用費などでかかったはず。20年分の介護費,生活費月10万円×12ヶ月×20年間=2,400万円がBたち家族のおかげでAは使わずにすんだのだと。
そうだとすれば,残った預金1,200万円は全額自分たちBがもらってもいいのではないだろうか?
Aに遺言書を書いてもらっても,「遺留分」の制度があるため,1,200万円全部を自分たちBがもらうのは難しい……では,Aが亡くなる前に,Aから1,200万円全部Bがもらえばいいのでしょうか?
いいえ,この場合であっても,C・Dが遺留分侵害額請求をすれば,1,200万円は遺産の前払いがあったとして扱われるので,同じように,CとDに200万円ずつを渡さなければなりません。
では,どうすればよいのでしょうか?
このような場合に使えるのが,「任意後見契約」です。「任意後見契約」自体は,親の判断能力が低下してから効果が生じるものですが,判断能力がある状態から低下するまでに行う介護,生活費,財産の管理等に関する契約(移行型契約)をしておくことで,判断能力が低下する以前からの生活費,介護費を定めておくこともできます。
本人が契約の締結に必要な判断能力を有している間に,将来自分の判断能力が不十分になったときの後見事務の内容と後見する人(任意後見人といいます)を,自ら契約によって決めておく制度です(公正証書を作成します)。つまり,このような制度を利用できる判断能力がある場合に,できるものです。
一方,判断能力が低下して既に任意後見契約をできない状態になってしまっている場合には,裁判所への申立によって,裁判所が決めた人が後見人等となります。こちらは法律で定められるので,法定後見と言われます。
このような注意点はありますが,私としては是非利用して欲しいと思います!
なぜならば,日本の法律では,相続分は平等で,看護・介護した苦労を寄与分として正当に評価するシステムがないからです。
実際に私(弁護士木下)自身,夜間も声を上げ続ける親を自宅で家族と共に面倒をみつづけ,トイレの介助などもした事案で,その代わりにもらった財産でも,「贈与」として認定された事例を経験しています。具体的な事案の内容をお聞きすると,本当に同居することによって,自由な生活はかなり制限されることになりますし,肉体的,精神的負担が大きいと感じます。その負担の代わりとして一定の財産をいただいたにもかかわらず,すべてこれは単に利益を受けただけとする「贈与」と判断されるのでは,面倒をみる相続人,その相続人と一緒に他人と暮らす配偶者やご家族が報われなく思います。
この事案では,それまで何度か介護について兄弟間で話合いがあったと見受けられましたが,結局私のご依頼者が担ってきました。ご依頼者が金銭的な管理をしていることや親からもらった財産についても他の兄弟が知りつつも,生前中は特に問題とされてこなかったため,後に他の兄弟から財産を取り戻されるなどとは,ご依頼者は考えていませんでした。
親の面倒をみるのであるから,自分たちが財産をもらうことに他の兄弟に異議はないと思ってきたのです。
そのため,しっかりとした親の預金の使い道などがわかる領収書,出納帳などはつけられていませんでした。
しかし,親の死亡後,遺留分減殺請求(現在の法律では「遺留分侵害額請求」になります)がされ,生前中のお金の流れも問題とされたのです。その結果裁判となり,「贈与」であるから,遺留分の範囲で他の兄弟に返すようにとの判断が出たのです。種々の主張をし,一部は労力の負担を裁判所に認めてもらうことがなんとかできましたが,納得できるようなものではありませんでした。
このとき,やはり,介護の負担は親への愛情からくるものであり,「契約」というものになじまない!という理想だけでは,現実に介護を担うご家族の苦労を現在の法制度を前提としては,裁判所に認めてもらうことはできない,と実感しました。それと同時に現在は,介護をしてくれている家族ならば,その人の財産をどのように使ってもよい,という考え方はあり得ない!と実感したのです。
だからこそ,ちゃんと介護や同居生活をすることに対する対価を「任意後見契約」という形で定めて欲しいと強く思うのです。
相続の問題では,必ずと言ってよいほど,生前に親の看護をし,財産も概ね管理していた相続人の方が,勝手に親の預金を使っているのではないか,ということが問題になっています。実感としては,最近の相続のご相談では,このような話がされることが8割以上あると感じます。これが問題で,遺産分割調停でも折り合いがなかなかつかず,紛争が長期化しています。
特に高齢となって判断能力の低下が感じられるようになったら,生前の財産の流れをはっきりとさせておくことが,後の不必要な遺産相続紛争を防ぐためにも必要不可欠だと感じています。
当事務所に申し込みいただければ,任意後見契約書案の作成を致します!
弁護士木下貴子は,東濃成年後見センター監事,任意後見契約書作成,成年後見人受任(最期までの経験有り)の経験もあり,これを活かして作成します。
法定後見ではとにかく本人の財産を維持することが重視されるため,柔軟性が欠け,被後見人の方の意思にそったお金の使い方であっても,裁判所から認めてもらうことが非常に困難です。このように困った点などを意識し,被後見人がしてもらいたい財産の管理方法,介護の方法など意識して作成することができます。
看護,介護をしている相続人の方,これから子どもさんの誰かに介護をしてもらおうと思っている親御さんに是非ご利用いただきたいと思います。介護や財産を管理する側,される側のいずれからの申込みでも結構です。
(その他,公正証書作成をする場合の公証人への手数料(作成枚数,登記費用は別途かかります,作成枚数により2〜5万円程度)は別途必要となります。
任意後見開始後に必要となる,任意後見報告書作成支援,財産管理,介護契約後の法律相談(顧問)支援も行っています(費用については,別途ご相談下さい)。
②ないし③の定型文言をもらったけれど,やはり,①の個別作成を希望したいと思われた場合には,差額の費用を納めて頂くことで,①の個別作成をご利用できます。
任意後見契約書自体は,公証人役場で作成することになります。
したがって,①の個別作成をご利用いただく場合の手順は,
②,③の定型文言をご利用される場合には,当事務所から定型文言(任意後見契約書案)を依頼者の方に送付させていただくところまでとなります。