多治見ききょう法律事務所は岐阜県多治見市・土岐市・瑞浪市・恵那市・中津川市・可児市・美濃加茂市の中小企業・家庭の法律問題を重点的に取扱っています

ご予約・お問い合わせはTEL.0572-26-9852

〒507-0032 岐阜県多治見市大日町21 大日ビル3号

離婚届

最終更新日:2024年3月2日

日本国民の婚姻関係・親族関係は,戸籍によって把握される制度になっています。婚姻関係の解消である離婚について,役所は,離婚届の提出を受けて,その事実を把握し,戸籍に記載します。

離婚届の届出先

離婚届の届出先は,本籍地か,夫または妻の所在地となっています。

協議離婚の離婚届と裁判離婚の離婚届の違い

離婚には,大きく分けて協議離婚と裁判離婚があります。

協議離婚は,夫婦が2人とも協議離婚届に署名をして,役所に届け出る形の離婚です。離婚届が受理されることによって,離婚が成立します。証人2人が必要です。
裁判離婚は,裁判所の調停・審判・訴訟の手続でなす離婚です。裁判所の手続により離婚が成立しますが,戸籍に記載をする必要がありますので,役所に届け出る必要があります。この場合,調停を申し立てた者,訴えを提起した者が,1人で届け出ることになっています。届出は,離婚届に記載して行いますが,裁判所の手続の結果を報告するだけのことですので,証人は不要です。
日本人が国外で離婚し,その離婚が日本の法律によっても有効な場合には,離婚を証明する書類を添えて,離婚届をする必要があります。これも,国外で有効に離婚が成立したことを報告するだけのことですので,証人は不要ですし,1人で届け出できます。

裁判離婚の離婚届の必要書類

裁判離婚の場合は,離婚届で裁判所の手続の結果を報告することになりますので,その結果を証明する書類が必要となります。
裁判離婚の中には,調停離婚,審判離婚,和解離婚,認諾離婚,判決離婚があります。

調停離婚のとき

調停離婚は,裁判所の調停(裁判所における話し合い)で,双方が離婚と条件に合意し,調停を成立させることによる離婚です。調停が成立したときには,裁判所が調停調書という書類を作ってくれますので,調停調書を役所に提出します。

審判離婚のとき

審判離婚は,裁判所の審判手続で,裁判官が双方の主張・証拠をふまえて,離婚と条件を定めた審判をなし,双方が異議申立期間内に異議申立をしなければ離婚が成立するというものです。離婚の合意はできているけれども,条件がまとまらず,裁判官に判断をしてもらえば従うであろうというときに,用いられます。審判書と,審判の確定証明書を役所に提出します。

和解離婚・認諾離婚・判決離婚のとき

和解離婚・認諾離婚・判決離婚は,いずれも裁判所の訴訟手続による離婚です。

離婚訴訟を提起された側が,訴状に記載された離婚の請求をそのまま認めるという場合,そのような内容の書類を裁判所に提出したり,法廷で告げると,離婚請求の認諾による離婚が成立します。和解離婚は,訴訟手続きの中で,双方が離婚と条件に合意し,離婚を成立させることによる離婚です。認諾があったときは認諾調書,和解が成立したときは和解調書という書類を,裁判所が作ってくれますので,その調書を役所に提出します。

判決離婚は,裁判所の判決による離婚です。家庭裁判所の離婚判決に不服があれば高等裁判所に対して控訴できますし,高等裁判所の判決に不服があれば最高裁判所に対して上告できますので,不服申立期間が経過するなどにより,離婚判決が確定したときに,離婚となります。判決書と,判決の確定証明書を役所に提出します。

届出期限

調停・認諾・和解については成立した日から10日以内,審判離婚・判決離婚については審判・判決が確定した日から10日以内に,離婚届をしなければなりません。

届出義務者と不都合

離婚をすると,夫婦のうち,婚姻のときに苗字(氏)を変えた方が戸籍から出て行くことになります。離婚届には,婚姻前の戸籍に戻るか,新しい戸籍を作るかを選択し,新しい戸籍を作るときには新しい本籍地を記載しなければなりません。元の苗字に戻るのが原則ですが,離婚から3ヶ月以内に届出をすることにより,婚姻中の苗字を名乗り続けることができます。離婚と同時に届け出ると,そのまま婚姻中の苗字による新しい戸籍を作ってもらえます。
そういった意味で,裁判離婚であっても,苗字を変えた側が離婚届をした方が都合が良いのですが,法律上,調停を申し立てた者,訴えを提起した者が届け出ることになってしまっています。そこで,調停や和解で離婚するときには,調停申立や訴えが受け入れたわけではなく,申し立てられた側・訴えられた側が調停や和解の席で離婚を求め,これを申し立てた側・訴えた側が受け入れたことによって離婚するのだという形を取ることがあります。具体的には「相手方○○の申し出により,離婚する」というような記載をします。

面会交流と養育費分担の記載欄の創設

民法改正により,平成24年4月1日から,離婚のときに未成熟の子がいる場合には面会交流と養育費について定めることになったことから,離婚届の書式も変更され,面会交流や養育費の分担を取り決めたかどうかを記載する欄が設けられました。これはこれらの子どもの権利の保護という趣旨の規定と思われますが,定めていなくても協議離婚の離婚届は受理されます。ちなみに,親権については親権者が定まっていなければ,離婚届が受理されないことになっています。

離婚届・離婚合意書作成Q&A

(公正証書を作成すべき場合)
Q 養育費もありませんし公正証書の作成は必要ないと他の弁護士に言われていますが,すでに離婚経験したお友達には慰謝料(一括での)を払わなかった場合や,離婚後に万が一子供と会わせない,子供が私と住みたいと言った時に養育費や親権を渡さない!ともめないためにも公正証書の作成は必ずやるべき!とアドバイスされています。
公正証書を作らずに,本当に弁護士の言うように合意書のみで終わってもいいのでしょうか?
A これは,「どのような場合に公正証書を作ったらいいのか」というご質問になりますね。
結論から言いますと,「公正証書」の作成には,メリットもあるけれど,デメリットもあるので,メリットとデメリットを比較して考えることになります。
公正証書を作成する主な「目的」は,金銭の支払いをしっかりとしてもらうことにあります。公正証書には,金銭の支払が滞ったときに強制執行できるという特別の効力が与えられているからです。
養育費など,今後も継続的に支払ってもらう予定の金銭がある場合や,財産分与,慰謝料などを分割で支払ってもらう場合は,この点でのメリットが大きく,一般的には「公正証書を作成すべき」事案といえます。
長い期間を経過する間に,相手方の状況も変わることで,支払いが滞る可能性も上がってきます。
そのように支払いが滞った場合,弁護士が作成した「合意書」だけでは,直ちに給与の差押えなどの「強制執行」ができません。その合意書をもとに,裁判などの手続きをする必要があります。
公正証書を作成すれば,直ちに強制執行手続きができますので,安心ですし,相手方に支払わなくてはいけないという責任感を持ってもらいやすくなると思います。
他方,ご質問のケースのように,金銭の支払いはあっても一括での支払いだけの場合だとすれば,支払いまでに相手方の状況が変わって支払いが止まってしまうという恐れは低くなります。
このような場合,どちらが離婚を強く希望しているかにもよりますが,もし,相手方の方が離婚を強く希望しているというのであれば,その一括の支払いを受けてから離婚届を提出するということで,支払いを確保するという方法もあるでしょう。
金銭の支払いとは異なる,面会交流の問題,親権の変更の問題は,公正証書で作成していても,それによって,直ちに法的な効力を発生させることはできません。
将来の養育費も現時点で決めておくというのはなかなか難しいと思います。
そのため,ご質問のケースの場合,それほど公正証書を作成する必要性が高い事案ではないと言えると思います。
もしも,現時点である程度柔軟に子どもさんたちに会えているのであれば,その関係を維持することの方が重要な場合もあるでしょう。
相手方の性格にもよるところが大きいと思いますが,「公正証書」の作成を求めると,手続きの手間や費用が発生することの不満,自分が支払うと言っているのに信じられないのか不信感を抱かせ,それが現在の比較的良好な面会交流に影響してしまうこともあり得ます。
なので,最終的には,作成する場合のメリットとデメリットを比較して,作成するかどうかを決めるのが良いと思います。
客観的には同じようなケースでも,あなたが何を一番大切にしたいか,何が心配で何をしっかりと決めておきたいか,によっても作成すべきかどうか,という判断はその方の「価値観」によっても変わると思います。
なので,ご自身のケースで,公正証書を作ることでどんなことが変わるのか,作ることで自分が求めたい「結果」を達成するためにどれくらい役に立ちそうなのか,反対に作ろうとすることで生じうるデメリットは何なのかを考えて,決めるのが良いと思います。
なお,離婚調停で合意する場合には,「調停調書」を作成しますので,公正証書を別途作成する必要はありません。

関連記事

動画解説

弁護士木下貴子が,このページ「離婚届」をYouTubeでお伝えしています。

岐阜県東濃・中濃地域の離婚・親権・養育費の問題で,弁護士をお探しなら,多治見ききょう法律事務所(弁護士木下貴子)にご相談,ご依頼ください。

岐阜県多治見市大日町21 大日ビル3号
営業時間(相談時間,予約電話受付時間)
 平日(月〜金)(祝日を除く) 午前9時15分〜午後5時
電話 0572-26-9852
相談予約専用メールアドレス tajimi.law@gmail.com
離婚相談票ダウンロード

多治見ききょう法律事務所

  • 弁護士 木下貴子
  • (岐阜県弁護士会所属)

〒507-0032

岐阜県多治見市大日町21

大日ビル3号

営業時間(相談時間・予約電話受付時間)

平日(月〜金)(祝日を除く)

午前9時15分〜午後5時

TEL 0572-26-9852

FAX 0572-26-9853

相談予約専用メールアドレス

tajimi.law@gmail.com

主な対応エリア

  • 岐阜県
  • 多治見市
  • 土岐市
  • 瑞浪市
  • 恵那市
  • 中津川市
  • 可児市
  • 美濃加茂市
  • 可児郡御嵩町
  • 加茂郡(坂祝町
  • 川辺町
  • 七宗町
  • 白川町
  • 富加町
  • 八百津町
  • 東白川村)
  • 岐阜市
  • 各務原市
  • 愛知県
  • 名古屋市
  • 瀬戸市
  • 春日井市
  • 小牧市
  • 尾張旭市
  • 長久手市