皆さんは,母に生活費を渡していたら,自分名義の通帳を作って,積立てをしていてくれた。その後,母が亡くなったが,これは遺産となるのか,自分の預金と考えていいのか,というような問題にあったことはありませんか?
相続人の間で,ある財産が,亡くなった人(被相続人)の遺産(相続財産)か,そうでないかの争いがあることがあります。
昔よく行われていた,母が子の名義で通帳を作るなど,被相続人の名義ではないけれども,被相続人が通帳も印鑑も管理し,被相続人のお金が原資となっている預金が争いになる典型例です。家族みんなで使っていた金庫の中に貴金属があって,誰の所有物かが証明できる証拠が残っていない,故に遺産かはっきりしない,ということもあります。反対に,被相続人の名前になっている郵便貯金だけれど,高齢者に適用されるマル優(郵便貯金の利息、銀行預金の利息、信託の収益金が非課税となる)を利用するためで, 実際は相続人の預金であるから遺産から外すべき,などと争いになることもございます。
遺産分割調停で話し合いをする中で,相続人全員(例えば相続人である子の子(孫)の預金名義など,名義人が相続人以外のときには名義人(孫)も)で見解が一致すればいいのですが,一致しないのでは,調停が成立しえません。
遺産分割調停が不成立のときに遺産分割のやりかたを裁判所に決めてもらうのが家庭裁判所の遺産分割審判ですが,遺産分割審判では,何が遺産かを決めてもらうことはできません。
遺産であるか否かに争いがあるときには,遺産分割手続とは別に,民事訴訟によって解決を図る必要が生じます。そのような訴訟を「遺産確認の訴え」と言っています。
1つの要素で定まるわけではありません。財産の名義だけでなく,資金源が何か,財産を管理していた者が誰か,財産を処分できる立場にあった者が誰か,どのような理由でその名義とされたのか,といった様々な事情をふまえて,裁判所が,誰の財産かを判断することになります。
遺産確認は,遺産分割をする上で,前提として決めなければならない事項の一つです。遺産の範囲に争いがあるときは,遺産分割協議の長期化の原因となりますから,管理者と名義人が相違する財産や,形式的に預金名義を利用させてもらうという扱いは,後々のことまで考えて十分に注意されることをお勧めします。
多治見ききょう法律事務所でも,遺産確認の訴えのご相談・ご依頼のほか,後の相続をふまえた資産管理のあり方などの相続相談(初回45分まで無料)をお受けしていますので,お気軽にご相談下さい。
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