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公的手当・年金受給時の養育費算定表の年収計算

こんなとき,どう計算するの?「養育費算定表では分からない養育費の計算方法」シリーズ第3回

現在,裁判所の調停・審判では,「養育費算定表」に年収をあてはめて,簡易に養育費が算定されています。

養育費算定表」は,ウェブで簡単に手に入るのですが,実際の事例では,養育費算定表を見ても,どのように計算したらいいのか分からない場合があります。

このような場合にヒントとなる考え方を連載してお伝えしています。

第3回のテーマは,「公的手当(児童手当等)収入がある場合,年金収入の場合,親族の援助がある場合等の年収(基礎収入)計算方法」です。

  • 児童手当は年収(基礎収入)に入るの?
  • 失業保険(手当)をもらっている場合は年収として計算できるの?
  • 年金の場合は,給与収入と同じ計算方法なの?
  • 実家に住んでいるなど親族の援助がある場合の計算方法は?

公的手当がある場合

児童手当

例えば子どもと一緒に住んでいる母親が児童手当をもらっていても,その分を養育費から差し引いたり,母親の年収に加算して計算したりすることはありません

児童手当は,次代の社会を担う児童の健やかな成長を目的に支給されるものです。児童手当が支給される前よりも,児童の生活の水準を高めるためのものであって,児童手当が支給されたことを,児童を養育している家庭の生活費を減少させる方向には考慮しません。

児童扶養手当

児童扶養手当が支給されたことを,児童扶養手当の支給を受けているひとり親家庭の生活費を減少させる方向には考慮しません。つまり,その分を,養育費から差し引いたり,年収に加算して計算したりすることはありません

児童扶養手当は,ひとり親家庭等の児童の福祉の増進を図ることを目的に支給されるものです。児童扶養手当が支給される前よりも,児童の生活の水準を高めるためのものです。
また,法制度上,養育費の支払額をふまえて児童扶養手当の額が決定される仕組みになっています。このような制度の仕組みからして,児童扶養手当の支給を養育費の額の変更に用いるのは順序が逆なので,年収として考えない,ということになります。

高等学校等就学支援金

高等学校等就学支援金(旧公立高等学校の授業料無償化)は,就学支援金が支給されたことを,就学支援金の支給を受けている家庭の生活費を減少させる方向には考慮しません。つまり,その分を,養育費から差し引いたり,年収に加算して計算したりすることはありません

支援金は,教育の機会均等のために支給されるものです。就学支援金が支給される前よりも,児童の教育の水準を高めるためのものだからです。

失業保険

失業保険(雇用保険)を受給中の場合,受給額を年収(基礎収入)として計算することが通常です。

これは,失業保険には,失業者本人だけでなく,扶養義務を負っている「家族の生活の維持」の役目もあると考えられているからです。(辞める必要が無いのに辞めた場合には,以前の収入があることを前提に収入認定される場合もあります。)

ただ,この場合,働いているときに必要とされる「職業費」がかからないので,生活費を引いた後の年収の計算が異なります(次の年金収入の場合と同じように考えます)。

年金収入の場合

年金収入も,原則として給与収入と同じように考えます。

ただ,失業手当と同様に「職業費」がかからないので,「職業費」を経費として考えて作られている「算定表」がそのまま使えないことになります。

これを反映して計算する方法には,様々な裁判例があります。年金の場合,職業費だけではなく,税金などの計算方法も異なりますので,正確に計算して反映するのは難しくなります。目安となりますが,総収入に占める「職業費」の割合が約20%であることから,年金額÷8×10を算定表における給与の年収として(例えば年金が100万円の場合には100万円÷8×10=125万円を給与の年収として)算定表にあてはめると,近い金額が得られます。

援助・資産がある場合

親族の援助がある場合

婚姻費用・養育費を請求する側(権利者),請求される側(義務者)のどちらも,親族から食費等の援助を受けている,実家にタダで住ませてもらっているなどの事情がありえますが,この場合であっても,養育費算定表にあてはめる年収には原則として影響しません

親と未成熟の子供との間での生活費(養育費・婚姻費用)分担の義務が,祖父母・おじ・おばなどが負う義務よりも優先するためです。父親・母親が負担しきれない部分を,親族が補助してくれる,と捉えることになります。

特有財産の不動産収入がある場合

父親がその父親から相続した不動産(特有財産と言います)を誰かに賃貸している場合のように,婚姻してから二人で購入したわけではない不動産の収入は,必ずしも養育費算定表の「年収」と考えられていません。

離婚前に,もともとその収入を使って,夫婦の生活をしており,そのために働いていなかった,というような場合には,婚姻後に購入した場合と同じように「年収」として算定することがあります。他方で,父親が働いている収入とは別に特有財産による不動産収入がある場合で,同居中,給与だけを生活費に使っていた場合には,養育費を算定するときの「年収」に含めない事例があります。

したがって,この場合には,もともとその不動産収入を「生活費に充てていたかどうか」によって,「年収」として計算するかどうかが異なってきます。

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