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最終更新日:2022年6月11日
お子さんとの面会交流をしたい父親が面会交流調停を自分で進める方法を,弁護士木下貴子(弁護士歴24年)が連載記事「弁護士木下貴子の面会交流調停徹底解説(父親向け)」でお伝えしています。
面会交流調停に関わる裁判所関係者は次の通りで,これらの人が調停室に現れることがあります。
裁判官または家事調停官が調停委員2名以上と一緒に「調停委員会」を組織して,家事調停を主催することになっています。
裁判官のことは説明するまでもないでしょう。
家事調停官は,要するに「非常勤裁判官」であり,本業は弁護士で,週1回だけ,家庭裁判所で調停を担当しています。
裁判官・家事調停官は,同じ時間帯に沢山の家事調停を掛け持ちしているため,重要な場面でしか調停の場に出てきません。
正式には「家事調停委員」と言います。調停委員は最高裁判所から任命された非常勤職員です。法律上は調停委員2名以上が「調停委員会」の構成員になることとなっていますが,面会交流調停で「調停委員会」に加わる調停委員は,男性1名,女性1名の計2名という取扱いが定着しています。
調停委員は,40歳以上70歳未満で,弁護士となる資格を有する人,有用な専門的知識経験を有する人,社会生活の上で豊富な知識経験を有する人から任命されています。弁護士,税理士,不動産鑑定士等の専門家,元公務員,地域の有力者,民生委員などが選ばれています。地域の「有識者」と言われていますが,必ずしも法律の専門家ではありません。職業分布は,以下のグラフのとおりです。
裁判所が計画的に調停委員向けの研修を実施しており,調停委員はその研修を受けています。また,調停委員の団体である調停協会が自主的な研修を実施しています。
正式には「家庭裁判所調査官」と言います。裁判所の常勤職員で,心理学・社会学等に詳しく,調査を担当します。試験(合格率10%強)に合格して「家庭裁判所調査官補」として採用された後,約2年間の研修を受けて,「家庭裁判所調査官」に任命されています。
裁判官(家事調停官)が調査官に調査命令をしたときにだけ,命じられた範囲で事件に関与します。面会交流調停事件の70%以上に関わっています。
調査して結果を報告するだけの役割ではなく,調整・働きかけ(合意形成の支援)もします。調停期日に立ち会って調整的な役割を果たしたり,調停期日外に事実の調査や調整をしたりします。
調停期日には,裁判官からの「期日立会い命令」があると,調停室で調停に立ち会うことになります。「期日立会い命令」は,調停が終了するまでずっと毎回立会えという命令ではなく,1期日毎に判断されて出されるものです。
調査官が事実の調査を命じられると,調停の当事者(申立人・相手方)は,調停期日の日以外に,裁判官・調停委員がいない場で,その調査に応じるために会うことになります。
調査官は,裁判官や調停委員とは異なり,必要であれば裁判所の庁舎外にも出かけていきます。家庭訪問をして子供の様子を観察したり,子供と面接したり,学校・病院・保育園等に訪問して聴取をしたりすることもあります。
家庭裁判所の児童室での試行的面会交流を主導するのも,調査官です。
調査官は,事実の調査をしたときには,調査結果と意見を調査報告書(調査報告書の様式(PDF))にして提出します。
調査官の仕事については,裁判所の広報誌「司法の窓」の記事(PDF)も参考になります。
正式には「裁判所書記官」と言います。
調停の記録を残し,記録を管理する裁判所の常勤職員です。面会交流調停が成立すると,調停成立の事実と調停内容が「調停調書」という公文書に残されますが,調停調書を作成する権限は書記官にあります。調停不成立による終了の記録も書記官が残します。
普段の調停では,調停に立ち会うことはありませんが,調停の成立・不成立の場面の他,合意に至った面会交流の条件の概要を調停条項の形にまとめあげる最終調整の場面などで,書記官が調停室に登場します。当事者から予納を受けた切手の管理(返還も含む)も書記官が行います。
調停の記録を謄写(コピー)したい場合,書類を提出したい場合など,手続きに関する一般的なことについて尋ねる場合には,書記官に尋ねることになります。
面会交流調停手続では,申立人(+申立人代理人弁護士)と調停委員2人が調停室で話をする(調査官が立ち会うことも多い),相手方(+相手方代理人弁護士)と調停委員2人が調停室で話をする(調査官が立ち会うことも多い),という時間がほとんどになります。
調査官が立ち会うと,このイラストのような状況になります。
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(弁護士 木下貴子)