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最終更新日:2023年8月27日
お子さんとの面会交流をしたい父親が面会交流調停を自分で進める方法を,弁護士木下貴子(弁護士歴24年)が連載記事「弁護士木下貴子の面会交流調停徹底解説(父親向け)」でお伝えしています。
連載第11回は,第1回面会交流調停期日の失敗を防ぐため,事前の準備事項と持ち物について解説します。
裁判所から調停期日通知書(呼び出し状)が送られてくるときに,第1回面会交流調停期日までに準備すべきことが書かれていることがあります。裁判所から電話で指示されることもあります。何よりも先に実行しましょう。
追加書類の作成・提出を指示されることがあります。
第1回面会交流調停期日当日に資料の持参を求められることがあります。コピーの提出を求められることもあります。
面会交流に関する動画の視聴,面会交流に関する資料の読み込み,裁判所が実施する親ガイダンスへの参加などの指示・推奨がなされることがあります。
第1回面会交流調停期日で,これらの実行の有無や感想を聞かれることがあります。
裁判所から指示された準備が終わったら,自主的な準備をしましょう。
面会交流調停で何を話し合うのかを理解しておかないと,準備ができませんし,準備不足となります。面会交流調停で話し合うこと次の項目を把握した上で,準備を開始しましょう。
直接に会う面会をしない場合には,間接交流をするかしないかも話し合います。間接交流に留める場合には,その方法,回数を話し合います。
調停では,全てが希望どおりとなることは少なく,どこかで妥協をする必要があります。
合意ができないときには,裁判官が,審判で,面会交流の可否と回数・方法・条件を定めます。
妥協するか,審判になることを覚悟の上で調停を続けるかの判断を誤らないようにするため,面会交流調停が長引いたらどうなるのか,審判になったらどんな結果となるのかを理解しておくことが必要になります。
わからないときには,面会交流調停の手続に詳しい弁護士に相談しましょう。
面会交流調停期日では,調停委員に対して話をします。準備なく調停委員からの質問にその場で考えて答えるのでは,次のような失敗が生じやすくなります。
このような失敗をしないよう,以下の準備をして面会交流調停に臨みましょう。
別居(離婚)した時期・経緯や,子供との関係性,別居後の面会交流に関する経過(面会交流がなされてこなかった事情や面会交流が途絶えた事情)を正しく説明できるようにしておきましょう。間違ったことを言って,相手方の説明との食い違いが生じると,どの点に食い違いがあるのか,本当はどうなのかを確認することに時間がかかってしまいます。調停の時間は限られていますので,面会交流のことについて話し合う時間が減ってしまうことになります。
説明用の手控えメモを作成しておくのも良いでしょう。
希望をはっきりさせましょう。
「回数はできるだけ多く,時間はできるだけ長く会いたい」という希望では,話合いが進みません。また,第1回調停期日で「月2回で日曜日に2時間ぐらいレストランで」と希望していたのに,次の調停期日に「毎週末」「公園で」と希望が変わるようでは,話合いが進んでいかず,印象も悪くなります。
説得的な理由がある意見と,理由の不十分な意見では,理由がある意見が重視されることになります。あなたの希望する面会交流の回数・方法が,子供の幸せのために良いといえる理由,実行可能なものといえる理由を説明できるようにしておきましょう。
(元)妻の主張を想像し,対策をしましょう。議論に勝つ主張・説明だけが対策ではありません。問題解決策を示せるようにする(直接会いたくないと言われるときに備え,あなたの母親に迎えに行ってもらえるか確認しておく,面会交流支援機関を利用する手段を確認しておくなど),代替案を用意しておく(いきなり2時間の面会は心配と言われそうなときに,1回目は30分で試してみるという案を用意しておくなど)といったことも対策です。
第1回面会交流調停期日では,面会交流を禁止・制限すべき事由の有無の見極めがなされます。(元)妻が,子供に会わせない,会わせたくないとまで主張をしてくることが予測されるのであれば,その主張への対応を優先して検討しておく必要があります。
(元)妻を非難するような話し方をしたり,そのような書面を裁判所に提出したりして,(元)妻の態度を悪化させてしまう方がいらっしゃいます。
(元)妻の性格をふまえて,面会交流実現から遠ざかるような言い方を避けられないか,正論であっても言わないようにするという選択が適切でないかを検討しましょう。
弁護士に依頼をしているときには,弁護士と打ち合わせをして,経緯やあなたの希望を理解してもらい,アドバイスをもらいましょう。
ご自身で考えた方針は,冷静な立場から見ると,子供と会えさえすれば上手く交流できると楽観的に考えすぎていたり,子供の幸せよりも父親の満足を優先しているように見えたりすることがあります。
ご本人が思っているよりも(元)妻や子供に嫌われていそうなのに,ご本人に自覚がないこともあります。
調停で言ってもらいたくないことがあれば,伝えておきましょう。伝えておかないと,まずは(元)妻をねぎらって子供の現在の様子を詳しく教えてもらいたいと思っているのに,弁護士が面会交流させない(元)妻を批判する発言をするようなことも生じてしまいます。
面会交流調停中でも早く面会交流をしたいのであれば,すぐに安全な面会交流ができることを説得的に説明できるようにしておく必要があります。
子供に発生しやすい事故やその対策に関する知識が不足しているときには,勉強しましょう。母親は,子供の検診などの度に指導を受けています。
たとえば,消費者庁の「子どもの事故防止ハンドブック」などを利用すると良いでしょう。
あなたの父母が面会交流に立ち会う予定ならば,あなたの父母にも知っておいてもらいましょう。現代の母親ならば回避する危険な行為を,悪気も無くやってしまうものです。
など,必要な安全対策は事前に済ませておくと良いでしょう。
言うまでもないことですが,決められた日時(裁判所に指定された時刻は,調停開始の時刻です)に間に合うように裁判所に行く準備が必要です。意外にも面会交流調停の日を間違えたり,遅刻したりする方がいます。
裁判所の駐車場は,いつも空きがあるというわけでもなく,ときどき満車になります。裁判所から,工事中のため駐車場なしという連絡を受けているときは,本当に駐車場がありません。
入口に着いてからも,手荷物検査やエレベーター待ちで時間がかかることがあります。
道が混んでいて遅刻したということもないように,早めに出かけるようにしましょう。道に迷って遅刻した,駐車場が見つからなくて遅刻したということもないよう,地図の確認などの準備をしておきましょう。
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(弁護士 木下貴子)