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最終更新日:2022年3月21日
お子さんとの面会交流をしたい父親が面会交流調停を自分で進める方法を,弁護士木下貴子(弁護士歴24年)が連載記事「弁護士木下貴子の面会交流調停徹底解説(父親向け)」でお伝えしています。
連載第8回は,面会交流調停申立書と付属書類の書き方について解説します。
面会交流調停申立書本体の書式は全国共通です。
他方,付属書類は,各裁判所が「申立付票」「事情説明書」「お子さんについての事情説明書」「進行に関する照会回答書」「進行連絡メモ」「連絡先の届出書」など様々な名称で書式を作っており,裁判所により内容も異なります(同じ題名でも内容が異なります)。
面会交流調停申立書本体の書式は全国共通ですから,裁判所のウェブサイトからダウンロードすれば大丈夫です。
裁判所のウェブサイトのいろいろな場所に同じ書式があります。
PDFファイルであれば,裁判所のウェブサイト全体の裁判手続案内にある書式が良いでしょう。
Word形式の書式は,たとえば,東京家庭裁判所,名古屋家庭裁判所のサイトにあります。ただ,裁判所のサイトにあるWord形式の書式はどれも,インデント,行間,文字の大きさが適切に設定されていません。枠の中で文字の位置合わせをし,氏名を大きくフリガナを小さく,○で囲む,チェックをするということをすると,書式設定に時間を浪費します。
パソコン操作のエキスパートでない方には,プリントアウトして手書きするのが無難というご説明をしています。
一部の裁判所では,面会交流調停申立の付属書類の書式もダウンロードできます。
管轄裁判所のサイトからダウンロードできる場合はダウンロードしましょう。
できないときには,裁判所に行って手に入れるか,裁判所に電話して問い合わせてみましょう。
別の裁判所の書式を用いるのはやめましょう。
どの書類を裁判所に何部出さなければならないかを確認しましょう。
手元にコピーを残しておく必要がありますので,裁判所に出す部数+1を作ることになります。
二重線で消して線の上に訂正印を押すというのが正しい修正方法です。
もっとも,ボールペン書きのものを出す必要はありませんので,修正液・修正テープを使って訂正してしまい,それをコピーして,コピーだけを使って,記名・捺印をして出せば大丈夫です。
面会交流調停申立書本体の書式は,全国共通です。2ページになっています。
裁判所のウェブサイトの申立書式のページに記載例がありますので,記載例も参照しながら書くと良いでしょう。
未成年者欄は,面会交流を求めたい子供だけを書きます。
相手方欄は,子供の母親(あなたの(元)妻)について書きます。(母親(元妻)が再婚していて,再婚相手と子供が養子縁組をしているときには,母親(元妻)と養父(再婚相手)の2人が相手方になります。1人分しか欄がないので,相手方欄に2人分の住所・氏名・フリガナ・生年月日・年齢を詰め込んで書くか,未成年者の1人目の欄を相手方欄に作り変えましょう。)
「申立人」の前の□と,「調停」の前の□にチェックをします。
離婚後の場合には,(元)妻が親権者のときには「相手方」の前の□にチェックをします。あなたが親権者のときは「申立人」の前の□にチェックをします。
別居から現在まで(元)妻と子供が同居しているときには,最も下の「平成・令和 年 月 日から現在まで」の前の□にチェックし,別居日を記入(元号を○で囲み,年・月・日を記入)し,「相手方」の前の□にチェックをします。離婚よりも前に別居したときも,別居の日付になります。
夫婦の別居後に子供が行き来しているときは,1つ目の「平成・令和 年 月 日から平成・令和 年 月 日まで」の欄も使って説明します。
子供が2人以上いて行き来が違う場合には,余白部分も使ってわかるように記載します。
事実に従って記入をします。
「申立付票」「事情説明書」「お子さんについての事情説明書」「進行に関する照会回答書」「進行連絡メモ」「連絡先の届出書」などの題名が付いている付属書類は,まず,各書類の裁判所の扱いを確認しましょう。
相手方からの請求があれば見せる(閲覧させる)扱いのものと,見せない扱いのものがありますので,確認しておきましょう。
裁判所が付属書類での説明を求めている事情は,概ね次の理由によるものです。
裁判所宛の書類ですが,見せる扱いのものは,相手方が読むという前提に立って書き方を考えましょう。
調停で話す代わりとする書面ではありませんので,伝えたいことは調停で話せば大丈夫です。詳しく書いておく必要はありません。
次の点を意識しましょう。
東京家庭裁判所「事情説明書(面会交流)」より
名古屋家庭裁判所「申立付票(面会交流)」より
書いてみた文章の最後に「(ので・だから),裁判所で,相手方と子供の面会交流について話し合いたいと思いました」を付けて,あなたが裁判所の職員に対して発言しているシーンを想像してみましょう。
また,書いた文章の最後に,「(ので・だから),あなたと裁判所で子供の面会交流について話し合いたいと思いました」を付けて,あなたが(元)妻に対して発言しているシーンを想像してみましょう。
どのように書けば良いか思いつかないときは,「手紙を送ったが相手方からの返事がない」「面会交流について協議をしたが,面会交流の実施について合意できなかった」「面会交流について協議をしたが,面会交流の回数・方法について合意できなかった」「子供との面会交流が実施できていない」など,事実を中立的に記載する程度にとどめるのが良いでしょう。
名古屋家庭裁判所「申立付票(面会交流)」より
大阪家庭裁判所「事情説明書」より
相手方が面会交流に応じてくれないからということなのでしょうが,「相手方が〜〜だから」と書くと,相手方の責任だと裁判所に告げ口しているように捉える女性もいます。
国語のテストではありませんので,理由を書く欄であっても,「相手方にメールを送っても返事がない」「〜〜と言われた」「相手方代理人の○○弁護士から,〜〜という通知が届いた」と事実を書くに留めるという方法があります。
大阪家庭裁判所「事情説明書」より
福岡家庭裁判所「事情説明書(面会交流・申立人用)」より
希望する面会交流の回数・時間を控えめに書いてしまうと,調停での話合いでそれが上限になってしまう可能性があります。逆に,多めに書くと,要求過剰だと思われかねません。
申立書提出段階で方針を決めづらいときには,「子供の健全な成長のために適切な回数・方法を話し合っていきたいと思っています」ぐらいに留めておくという方法があります。
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(弁護士 木下貴子)