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最終更新日:2024年8月31日
お子さんとの面会交流をしたい父親が面会交流調停を自分で進める方法を,弁護士木下貴子(弁護士歴24年)が連載記事「弁護士木下貴子の面会交流調停徹底解説(父親向け)」でお伝えしています。
連載第7回は,面会交流調停申立に必要な添付書類などの準備方法について解説します。
面会交流調停申立には,次の物が必要です。
戸籍謄本(全部事項証明書)と収入印紙・切手は,裁判所以外のところで取得しなければなりません。どこで,どのように準備したらいいのでしょうか。
また,面会交流調停の申立をするときには,母親の住所を調べて申立書に記載する必要があります。どのように調べれば良いのでしょうか。
戸籍謄本(電子化されたものは「戸籍全部事項証明書」というのが正確です)が必要です。子供本人部分だけの「戸籍抄本(戸籍個人事項証明書)」ではなく,全員分が記載された「戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)」を取るようにして下さい。
戸籍謄本を取得するには,本籍・筆頭者を特定する必要があります。
父母の婚姻関係が続いていて別居中の場合は,父母の戸籍は一緒ですし,子供もその戸籍に入っています。
そのため,あなたの戸籍謄本を取れば,お子さんの戸籍謄本でもあるということになります。
離婚したときには,夫婦のうち,婚姻のときに苗字を変えた側が,戸籍を出て行きます。
離婚のときに子供の親権者を母親と定めた場合でも,子供の戸籍は移動しません。
子供の苗字を母親と同じにする手続き(子の氏の変更手続)がなされると,子供の戸籍が母親の戸籍に移動します。(母親が婚姻前の苗字に戻さず,婚姻中の苗字を使い続けている場合にも,この手続で子供の戸籍が母親の戸籍に移動します。)
子供が養子縁組をしたときも,子供の戸籍が移動します。
子供の戸籍の本籍・筆頭者がわからないときには,まずは,あなたの戸籍を取り,その情報を利用して順番にたどっていくことになります。
上記の戸籍の例ですと,次に,子供の【入籍戸籍】の欄に記載されている本籍・筆頭者の戸籍を取ることになります。
どこの市役所(区役所)・町村役場でも,運転免許証・マイナンバーカード等の顔写真付身分証明書を持参して出向けば,あなた自身,子供の戸籍謄本を取得できます。
郵送で,本籍地の市役所(区役所)・町村役場から取り寄せることもできます。
郵送で戸籍謄本を取り寄せるときは,記入した請求用紙(多くの役所がインターネットでダウンロードできるようにしています),手数料450円分の定額小為替,切手を貼った返信用封筒,運転免許証のコピーを同封する形になります。詳しくは,本籍地の市役所・町村役場のウェブサイトか電話により確認してください。
定額小為替は,郵便局で売っています。450円の定額小為替の代金は,手数料200円を加算した650円です。
あなたの本籍地の市役所(区役所)・町村役場が戸籍謄本のコンビニ交付サービスを提供している場合,利用者証明用電子証明書搭載のマイナンバーカードを持っていて,暗証番号を覚えていれば,あなた自身の戸籍謄本を,コンビニのマルチコピー機で取得することができます。(あなた自身の戸籍謄本だけであり,子供の現在の戸籍が別になっているときの子供の現在の戸籍謄本はコンビニでは取れません。)
コンビニ交付サービスを提供しているかどうかは,コンビニ交付のサイトで調べられます。
面会交流調停の申立書に貼る収入印紙は,子供1人につき1200円分です。
面会交流したい子供が複数のときは,人数分用意します。子供が複数のときでも,1通の申立書に貼り付けるので,合計額分で用意すれば構いません。
連絡用の切手として,1000円分ほどを裁判所に納める必要があります。
各家庭裁判所が,内訳を決めています。内訳は裁判所によって異なります。
裁判所に申立書の用紙をもらいに行く予定のときは,そのときに教えてもらいましょう。
裁判所に行かない場合は,裁判所ウェブサイトで調べるか,電話で問い合わせます。
裁判所ウェブサイトに全ての裁判所の切手の内訳が載っているわけではなく,切手の内訳を載せている裁判所もあれば,載せていない裁判所もあるというのが実態です。
ウェブサイトに載っていないとき,わからないときは,申立をする裁判所に電話で問い合わせましょう(メモ用紙と筆記具を用意して,電話をかけましょう)。電話番号は,裁判所ウェブサイトや電話帳などで確認します。
その電話番号に電話してください。
代表電話に電話をかけて,「家庭裁判所の家事の受付をお願いします」と言いましょう。
用件を尋ねられたら「面会交流調停の切手の内訳を知りたくてお電話しました」と言いましょう。
(注:家庭裁判所は,家事事件と少年事件を取り扱っています。また,家事事件には,家事調停・家事審判と,人事訴訟があります。始まった手続の部署・担当者と,申立書の受付を担当している部署・担当者が分かれているのが通常です。)
「面会交流調停を申し立てたいのですが,切手の内訳を教えてください」
と尋ねれば,教えてもらえます。
郵便局か,収入印紙・切手を取扱うコンビニエンスストアなどで購入します。
大きな裁判所では,建物内に売店や郵便局があって,収入印紙・切手を販売していることがありますが,建物内で収入印紙・切手を買える裁判所は徐々に減っています。名古屋家庭裁判所本庁,東京家庭裁判所立川支部の売店もなくなりました。
岐阜家庭裁判所多治見支部のように,近くに郵便局もコンビニも無い裁判所があります。「裁判所に申立書を出しに行くときに,裁判所で切手の内訳を尋ねて,近くの郵便局で購入し,裁判所に戻る」というのは,手間がかかりますので,予め内訳を尋ね,準備してから申立書を提出することをお勧めします。
子供の母親の住所がわかっていればよく,住民票を用意するまでの必要はありません。
住所を知らないときには調べておく必要があります。母親の本籍地を調べた上で,母親の本籍地の市町村役場に「戸籍の附票」を請求して,住民票の住所を調べましょう。
母親が役所に「DV等支援措置」の手続きをしているために,戸籍の附票の発行を受けられないときは,住所不詳で申立をした後,裁判所を通じて調査してもらう手続きがあるので,発行を拒否されたときに返送されてきたものを残しておきましょう。
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(弁護士 木下貴子)