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離婚調停で子供の親権を取りたいときになすべきこと

         

「裁判所HPより詳しい離婚調停解説」連載の第21回

未成年の子供がいる離婚調停では,子供の親権が争いになることがよくあり,次のようなご相談がよくあります。

  • 子供の親権を絶対取りたいですがどうしたら良いでしょうか?
  • 子供の親権を相手が譲ってくれないのですが……
  • 母親が親権者としては有利と聞いたことがありますが,父親が親権を取ることができるのでしょうか?
  • 働いていない,精神的な病気になっている私に「親権者になれるわけがない,不利だ」と相手が言いますが,そうなのでしょうか……
  • 相手が浮気したのに,相手が親権を取れるのですか?
  • 先生に依頼したら,絶対に親権を取れますか?

以前は,父親が,子育てにあまり興味がなく,労働時間が長く,時間的に子供の養育が困難でもあるため,母親が親権を取ることで問題なく合意ができていた事例が多かったように感じます。しかし,最近は,子供の数も少なくなり,父が親権を求めて親権の争いが深刻になる事例が増えてきたと感じます。

そこで,今回は,子供の親権を取りたいときの対策を説明します。

  1. 親権を取るための対策の意味と限界
  2. 裁判所が親権を決めるときの評価基準
  3. 調停委員に自分が親権者にふさわしいことを説明するための自己分析のやり方
  4. 強い意志を示すために認識しておくべき親権者の義務・責任
  5. 親権を取得するためになすべき行動
  6. やりがちな禁止行為(子供の利用面会交流拒否
  7. 調査官による調査への対応方法

を順にご説明します。

なお,親権がどのような権利かを知りたい方は,別記事「親権」をご覧ください。

子供の親権を取るための対策の意味

まず,最初にお伝えしたいのは,必ず親権を取れる方法というものは無いということです。
父母のうち,子供の親権者となれるのは1人ですから,いくら努力しても成果につながらないことがあります。
また,親子の関係は,離婚調停前の長い年月により築かれており,短期間に激変させることができません。
ご説明する通りにやれば親権を取得できるような簡単な話ではなく,少しでも,親権取得を確実にし,あるいは,親権取得に近づくための対策であると理解してください。

離婚調停で親権を取りたいときの弁護士の役割

残念ながら,弁護士に依頼すれば必ず親権を取れるということにもなりませんが,弁護士は,次の形で,ご依頼者が親権を取れるよう支援します。

調停委員に的確に伝える
弁護士は,親権を取るために「何を」「どのように」伝えたら良いのかを分かっています。弁護士は,ご依頼者が親権者にふさわしいことを調停委員に効果的に伝えます。
有利な行動を促す
弁護士は,ご依頼者に,親権を取るために有利な行動を促し,不利な行動をしないようアドバイスをします。

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弁護士が,離婚調停で,どんなことを考え,どんなフレーズを使っているのかを理解した上で,弁護士を頼むかどうかを判断するのも良いでしょう。

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親権を決めるときの裁判所の評価基準は「子供の幸せ」

父親と生活する場合と母親と生活する場合を比較する

離婚調停の主催者である裁判所の評価基準と違う方向で努力しても結果につながりません。
まずは,裁判所の評価基準を理解する必要があります。

裁判官(家事調停官)・調停委員・調査官は,難しい用語で「子の福祉」を重視すると言っていますが,要するに「子供の幸せ」の観点から親権を考えようとします。
つまり,どちらの親と生活する方が子供にとって幸せになりそうかというのが裁判所が親権者を父母のどちらにするかの判断基準となります。
裁判所と同じように,子供の幸せの観点を意識するようにしましょう。

子供と同居している方が有利? 母親の方が有利?

「同居している方が有利」「幼い子供の場合は母親が有利」などと言われ,一般的にはその通りだと言えます。裁判例でも,このような理由を挙げて親権者を決めたとされている事例がいくつもあります。
なぜこのように言われるかといえば,一般的に,今現在,無難な生活ができている子供の生活環境を変えること(同居親と引き離す)には子供を不安定にするリスクがある,幼い子供には接してきた時間が長い親の方が当面は適切に育てられる,など,一般に子供の幸せに結びつく事情があるからです。
もっとも,子供の幸せを判断するための1つの要素にすぎず,これらの点だけで親権が決まるわけではありません。

統計上の父・母が親権者となっている割合

司法統計(平成27年度)によると,離婚調停・審判で離婚に至った夫婦の中で父が親権者となったものが1947件,母が親権者となったものが18416件となっています。このように,1割が父に,9割が母に定まっているというのが実態です。

夫婦関係を破綻させた責任は子供の親権とは無関係

離婚では,相手の悪さ加減を指摘したくなりますが,親権の取得に関しては,「夫婦のどちらが悪いか」を議論し,相手の悪さを指摘することは意味がありません。
離婚することになったのは浮気した妻のせいなのに,親権を取られるのか?というご不満を抱かれる方もあります。しかし,夫婦のどちらが悪くても子供には関係のないことであり,親権を決めるときの判断基準は,あくまでも「子供の幸せ」です。夫婦の関係を破綻させた責任のある側に,親権が取得できないという不利益(制裁)が加えられるということではないのです。
もっとも,「相手の悪さ」と「子供の幸せ」が関連していることがあります。

夫が子供の目の前で妻を蹴る
  • 夫が子供の目の前で私を殴った
  • 夫が子供がいないところで私を殴った

は,同じ暴力でも,子供への害悪が大きく異なります。

  • 子供が小学校に行っている間に妻が不倫をした
  • 夕方に子供を独り家に残して妻が外出して不倫をした

は,同じ不倫(不貞行為)でも,子供への悪影響の程度が大きく異なります。

いずれも,夫婦の関係を破綻させた,相手の行動が離婚につながったということには変わりありません。しかし,前者の場合には,後者の場合に比べて,他の理由から,夫,妻が親権者となるほうが子供の幸せにつながる,と判断される可能性があります。
夫婦の関係を破綻させた行為を,それがどのように子供の幸せに悪く影響するのか,という,「子供の幸せ」の観点で捉え直しましょう。

親権を取得するための自己分析

調停委員から正当な評価を得る

父親と母親のどちらが養育した方が子供が幸せになるか,という評価基準の下で,親権を取得しようと思えば,「自分が子供を養育すると,夫(妻)が子供を養育するよりも,子供が幸せになる」と言えなければなりません。
まず,自分で,自信をもって説明できなければ,第三者である裁判所の方々に伝わりません。

相手の評価を下げるより,まずは自分が正当に評価されるようにすることが大事です。

考えがまとまっていないようであれば,しっかりと自己分析をする必要があります。

養育費の支払いで解決できる程度の収入・財産の差は理由になりません。特に夫側が「妻よりも私の方が収入が多いから,子供を幸せにできる」という説明をしたくなりますが,それだけの説明では,裁判所から「奥さんが親権者になって,あなたは養育費を払えばいい」と言われてしまいます。

自己分析の重要な視点

「自分が子供を養育する方が子供が幸せになる」ということを指摘する際,重要な視点が2つあります。

未来志向

夫が子供のために料理をする

1つ目は,「未来志向」という点です。つまり,「これまでどう育ててきたか」よりも,「今後どう育てていくのか」という視点です。
これからの未来,つまり,「今後」子供を自分が育てていくことが子供の幸せになることを,説得的に伝えるためには,まず,「今」どう自分が育てているのかが重要となります。その次に過去(「今まで」)どう育ててきたのかが重要になります。

したがって,「今まで」はほとんど子育てを手伝ってこなかった父親でも,母親が1人で家を出てから,「今」は必死になって子供を育てているというのであれば,父親の方が親権者として適切であると判断されることもあり得ます。

精神的な幸せ

2つ目は,「経済的な幸せ」よりも「精神的な幸せ」が重視されるという点です。なぜかというと,どちらも子供の生活,幸せにとっては大事なのですが,先ほど指摘したとおり,経済面は相手方から「養育費」をもらうことで補えるからです。
この意味で,パートで働いていて,父よりも収入が少ない母であっても,父より子供と一緒に生活する時間があり,自ら関わって養育していける環境であれば,親権者として適切と判断されることは十分あり得ます。

具体的な分析ポイント

この視点を踏まえて,さらに調停委員に伝えるべき具体的なポイントは以下の点です。
離婚調停・裁判で裁判所が重視していると私が日頃感じるものから順番に記載します。これらの点について,自己分析していきましょう。

1 現在の養育状況

同居の有無
現在子供と同居しているか,どのように養育に関わっているのか。別居しているのであれば,その経緯,理由。今後同居は可能なのか。
子供との信頼関係
10歳前後からはどちらと住みたいかという子供の意思も重視されます。
子育てに充てられる時間
勤務状況,子供が病気の場合の対応など。

居住環境
これまで子供が住んできた環境を維持できるのか。実家に連れて帰る場合は,なぜその方が良いのか,などの説明。
親族から得られる協力
実家で同居して自分の親が助けてくれる,近くに親族が住んでいて協力してくれる,など。

財産・収入
自分の方が財産・収入が多い,自分と生活する方が経済的に豊かな生活ができる,ということ。
養育費,児童手当等の福祉的給付もふまえて考えましょう。
(養育費の相場については,別記事「養育費相場の計算方法〜養育費算定表の使い方〜」をご覧ください。児童手当等の福祉的給付については,別記事「別居後離婚後の児童手当・児童扶養手当・保育料等の扱い」をご覧ください。)
面会交流の可否
同居している場合は,子供が相手と会うことを認めているか,会わせているか。別居している場合は,もし,自分が親権者となったら会わせるつもりがあるのか 。

2 過去の養育実績

これまでの子育ての実績(時間・内容)
子供の塾の送迎,病気の対応,学校行事への参加,洗濯,食事など,具体的にどのように関わってきたのか。

以上の点を総合的に見て,自分が子供を養育すると,夫(妻)が子供を養育するよりも,子供が幸せになるということを自己PRできるようにしましょう。
また,目先だけでなく,子供が高校を卒業する頃までの長期間で,自分が子供のために何をするのかを考えてください。

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親権者の義務・責任を認識しましょう

親権には,子供に対する責任が伴います。原則として,途中で親権者をやめることはできません。親権者は、「子の利益」のために「子の監護及び教育をする権利」を有するだけでなく,面倒をみたり,教育させなければいけないという「義務」を負っています
相手に養育費を支払いたくない,相手の言いなりになりたくない,という意地や,子供がかわいいという思いだけでは,親権者の義務を果たすことはできません。

時間の負担

父親が子供を保育園に送る

親権者には,「自分の仕事にかける時間」・「自由に使える時間」を捨てるという覚悟が必要です。
親権者である片親が子供を育てるのは,両親が協力してなすべき仕事を1人で担うわけですから,夫婦,子供が同居していたときと比べ親権者の負担は大きくなります。趣味・友達づきあいを減らさざるをえません。ワークライフバランスが保てないような職場に勤めている場合には,転職も考えざるを得なくなります。

金銭の負担

子供の食事が質素になる

また,親権者は,離婚後に実際に養育にかかるお金をどのように賄っていくのか,考えなくてはいけません。経済面は,「養育費」で補えるものではありますが,これまで一つの生計だったのが,二つに分かれて生活することになるので,今までよりも子供との生活は苦しくなります。
もし,これまで全てのお金を管理して小遣いだけを相手に渡していたのであれば,離婚後は養育費だけをもらって生活をすることになりますので,今までのように子供の養育にお金をかけられなくなります。子供が私立の高校に行きたいと言ったらどうするのか,大学進学のときはどうするのか,などの問題も出てきます。
多くの事例で養育費の支払いが継続されていないのが現実です。離婚した後,相手が養育費の支払をしてくれないようなことになっても子供を育て上げようという強い意志と計画が必要です。
親権者の責任を認識し,覚悟がなければ,うわべだけの話をすることになって,説得力がありません。
それでも,本当に親権を欲しいのか,親権を取って生活していく覚悟があるのか,振り返ってみましょう。

行動に裏打ちされた理由に説得力があります

行動が伴わない説明・理由付けは,第三者である裁判所の方々には,言葉だけの薄っぺらなものに見えます。
離婚調停開始以降でも,できる行動があるはずです。行動して実績を作ってください。たとえば,次のような行動がありえます。

子供と別居している場合
手紙を書く,電話をかける,相手に子供の状況を尋ねる,子供の生活費(婚姻費用)を負担する,他の用事より面会交流を優先する……
子供と同居している場合
子供の生活リズム・服装・清潔・栄養に気を配る,残業・休日出勤・夜のつきあいを減らす,子供に相手の悪口を言わないようにする,家計簿をつける,相手に子供の状況を伝える,喜んで面会交流をさせる……
どちらの場合でもあてはまるもの
タバコをやめる,浪費をやめる,余裕時間に勤務してパート収入を得る,料理を覚える……

小学生以下の子供を味方に付けようとするのは厳禁

子供に親を選ばせるのは酷

親に暴力をふるわれたというような一部の特別な事例を除き,子供は,父親も母親も大切であり,両方に愛されたいと思っています。本当は,両親と仲良く暮らしたいのに,子供のせいではなく,親の理由で片方の親としか暮らせないのです。
そんな子供に「どちらと一緒にいたい?」「パパとママのどちらが好き?」と親を選ばせれば,子供の心を傷つけます。
子供をプレゼントで釣るのも,子供の健全な成長を害する行為です。
小さな子供の希望を考慮すべきかどうかについては色々な考え方があるところですが,私自身は,小さいからと言って,一律に子供の意思を無視して良い,とは思いません。
しかし,小学校入学前の子供の場合,直接に希望を尋ねるような方法は避けた方がいいでしょう。離婚調停の中では,調査官が調査をするときも,様々な心理テストを使うことにより子供の気持ちを確認しています。
小学生になれば,次第に子供の理解も進んできます。「子供の幸せ」を考えたとき,親だけで判断するのではなく,積極的に子供の意思確認をすることも必要となってくると思います。
ただ,意思の確認の方法には注意が必要です。「どちらと一緒に住みたい?」という尋ね方ではなく,どうして自分が相手と一緒に住むのが無理なのか,なぜ自分は子供と一緒に住みたいと思うのかと,自分と一緒に住むと今までとどのように生活が変わり,相手と一緒に住むとどのように生活が変わるのか,という客観的な話を中心に話す方がいいと思います。
小さい子供を裁判所に連れてきて,「ママ大好き,パパ嫌い」と言わせるような「子供を味方に付ける」ということは,一見,有利なように思われるかもしれませんが,子供のためにならないのはもちろん,裁判所の印象もよくありません。
まずは親権者にふさわしいという行動をしてください。そして,子供の意思の確認の仕方,裁判所への説明の仕方には十分に注意してください。

親権者になったら子供を相手に面会交流させようという意識が必要

面会交流を進んで行う母親

相手が浮気をして離婚をするような場合には,相手に対する憎しみが強く,子供に会ってもらいたくないという気持ちもあると思います。
しかし,浮気されたからと言って,子供に会わせなくて良いということにはなりません。夫婦の関係を破綻させた責任のある側に親権が取得できないという不利益(制裁)が加えられるということが無いのと同様に,浮気をして離婚原因を作ったからと言って,それだけで,子供と会えないという不利益(制裁)が加えられることはありません。
夫婦間の離婚の原因・責任と子供の問題は別の問題なのです。

面会交流は,子供が両親から愛されているという意識を高め,子供の健全な成育につながります。現在は,裁判所もその価値を認め,「子供の幸せ」にとって,面会交流が重要であることを意識しています。離婚調停中に面会交流ができていない場合には,離婚の話を進める前に,まず面会交流の方法を決めましょう,と指導されることもあります。
子供自身が会いたくないと言っていても,同居する親の顔色をうかがった発言のことが多いものです。
夫婦関係が悪化している状況で,気にくわない相手方に会わせることは,こちらも耐えがたい,ということも多いと思います。このような場合に無理矢理面会交流を行うのは,ご本人の心身の故障も来しますので,私も強くは勧めていません。しかし,心の余裕があったら,「子供の幸せ」のため,「親権者としても適切」と思ってもらえるよう,子供が「会いたい」と言えるような雰囲気を保ち,子供に積極的に面会交流を勧めるぐらいの対応が望ましいと思います。
説得的な理由もなく,親権者になったら子供を相手に会わせない,というのは,「子供の幸せ」のための努力をしようとする意識が不足しているということになりえます。裁判所から,親権者として不適切な事情のひとつになる,と言われたこともありますので,意識して,できるだけ面会交流を行う方向で考えていただきたいと思います。
面会交流について,詳しくは,別記事「面会交流」もご覧ください。

家庭裁判所調査官の調査

調査官

離婚調停中に,親権者としてどちらがふさわしいかについて,家庭裁判所調査官による調査が行われることがあります。
調査官も人間ですから,間違うことはあります。しかし,多くの場合,調査官の出した結論は,正しい結論です。そして,裁判官や調停委員には正しい結論であると受けとめられます。
調査官調査をする場合には,調査結果が出たときに,自分の希望と異なる結果であっても,受け入れようという覚悟を持って,調査官調査に臨む必要があります。

調査官調査対応のコツ

調査官の学校訪問

調査官は心理学・社会学のプロです。
調査官は,園・学校を訪問したり,家庭訪問をしたりして,園・学校に来るときの子供の身なり・清潔さ,けがの有無,成績,表情,性格,健康診断結果,母子手帳の記載など,ごまかしようのないところをチェックしています。
小手先のテクニックで有利にすることは無理ですが,失敗して不利になることを防ぐための注意は必要です。

社会常識ある態度で対応する

調査官面談の前に掃除をする

礼儀正しく調査官調査に協力する,調査官との約束の時間に遅刻しない,調査官が家庭訪問に来るときには掃除・整理整頓をしておくといったことは,社会人として当然のことです。神経質になる必要はありませんが,あまりにも社会のルールが守れない,不潔であるということですと,子供を正しくしつけられないと見られても仕方がありません。

有利な事実をしっかりと説明する

調査官面談

有利な事実はしっかりと説明し,否定できない不利な事実はフォローできるようにしておきましょう。

  • 子供の幸せのために,自分が,これまで何を考え何をしてきたか,現在何を考え何をしているのか,将来どうするのか。
  • 過去に子供に暴力をふるったなど,子供を不幸にさせた行為・態度を否定できないのであれば,その原因と今後の対策をどのように考えているのか。
  • 相手に,子供を不幸にさせるような行為・態度・事情として,どのようなことがあったか。

子供と別居していて,相手が適切な養育をしていないと思われる場合には,調査官に特に調べてきてほしい事項を具体的に話しましょう。

普通のことも具体的に説明できるようにする

子供とどのように関わってきたのかと尋ねられると,説明が難しく,「普通の父親のように」「普通の母親のように」となりがちです。
普通のことを普通に行うことも適切な養育です。
普通だと思っても,その普通にやってきたことを具体的に説明できるようにしておく必要があります。

あなた,子供,同居家族のタイムテーブル

通常,裁判所からの指示により,曜日別の,自分,子供,同居家族の生活のタイムテーブルを書いて提出することになります。
特に,子供と同居している人は,タイムテーブルで,適切な養育ができているかがチェックされていると思って下さい。
長時間自分で子供の面倒をみるのが良いということではありません。保育園,自分の親などの活用があるのは通常のことです。子供との関わりが薄すぎたり,肝心のところができていなかったり,子供の生活の乱れが放置されているようであれば,問題ありということになります。
調査官調査が始まってからでは遅いので,事前に改善しておいて,問題視されないようなタイムテーブルを提出できるようにしてましょう。

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子供の親権について最も良い形の解決をめざすために

離婚後も両親に愛される子供が幸せ

なぜ,親権を取りたいのでしょうか?自分が子供と一緒に住みたいからでしょうか。相手に養育費を支払いたくないからでしょうか。
親権は「子供の幸せ」のために与えられるものです。
そのために,今自分が親権を取ることが本当に子供にとって幸せなのだろうか,相手が親権者になってもいいかもしれない,と一歩引いて考えることも大切です。
ゴールは,親権の取得ではなく子供の幸せであり,子供の幸せな姿を見られることです。
そのためには,離婚相手である夫(妻)の協力は不可欠です。
離婚して子供は引き取っても,夜勤のときは相手が子供をみてくれる,自分が旅行に行きたいときは相手のご両親がみてくれる,というような関係が続いていれば,子供も沢山の大人に愛されていることを実感できます。
離婚後でも,子育てに関しては協力している父母のお話を聞くこともあります。
夫婦が離婚しても,子供にとっては,大切な父と母です。
離婚の相手である夫(妻)に,子供の幸せを考えてあなたに親権を任せよう(任せるしかない)と思ってもらえるのが,最も良い解決ではないでしょうか。
配偶者としてはうまくやっていけない相手であっても,子供の父・母として尊敬できるところを見つけ,今後は夫婦ではなく,親として,子供のために協力して関わっていきたい,と相手にも思ってもらえるような話し方,伝え方を意識しましょう。
相手が跡取りの問題などでどうしても「親権」を譲れないと言う場合には,親権の一部分である「監護権」だけをもらい,普段一緒に住み,親権は相手方に渡す,という方法もあるでしょう。
ぜひ,「子供の幸せ」のために最も良い形での解決をめざしてほしい,と思います。

(弁護士 木下貴子)

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この記事を書いた弁護士

執筆者木下貴子

木下貴子

多治見ききょう法律事務所所長

岐阜県多治見市で初の女性弁護士となり17年目。
離婚事件を中心的に取り扱い,これまでに受けた離婚のご相談件数は800件を超えます。ご相談は,親身,気軽,自分で決めるをモットーに対応しています。
離婚・夫婦に関する講演の講師も務めています。

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