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調停で子供との面会交流を拒否されているときの対策

最終更新日:2022年7月2日

お子さんとの面会交流をしたい父親が面会交流調停を自分で進める方法を,弁護士木下貴子(弁護士歴22年)が連載記事「弁護士木下貴子の面会交流調停徹底解説(父親向け)」でお伝えしています。

連載第15回は,面会交流調停で(元)妻に子供との面会交流を拒否されているときの対策について解説します。

裁判官・調停委員・調査官との協力

裁判官と調停委員と調査官

裁判所では,面会交流がうまく行われていると,どちらの親からも愛されているという安心感を得ることができるとしており,その限りで面会交流の実施が子供にとって有益であるとの考えから,面会交流を推進しています

面会交流調停では,裁判官,調停委員,調査官も,面会交流が実施できるよう,できるだけの調整をしてくれます。
これらの人々は,多くの家族の面会交流紛争に向き合い,対処してきた経験がありますし,研鑽も積んでいます。あなたが自己流の方法で面会交流実現をめざすよりも,裁判官,調停委員,調査官の知識・能力・経験で,面会交流実現へと導いてもらうのが,成功確率が高いはずです。
裁判所の手順にはスピードが遅いなどの問題もありますが,基本的には,裁判官,調停委員,調査官が,面会交流実現に向けて何をしてくれているのかを理解するようにし,力を借りる方が良いでしょう。

当事者であるあなたができること・すべきこともありますので,あなたの取り組みは必要です。
調査官が(元)妻の不安をなくそうと調整してくれているのに,あなたが不安を与える言い方をするなど,裁判官,調停委員,調査官の行動の効果を,横からつぶすようなことはやめましょう。

連載第1回でも記載しましたが,「親に面会交流を求める請求権はない」というのが裁判所の立場だとされています。裁判官,調停委員,調査官は,子供の利益のために面会交流の実施を推進しているのであって,あなたの権利を実現しようと協力するのではありません。裁判所の立場と違う「親だから子供に会う権利がある」などの考えに基づいて面会交流実現をめざすと,協力関係が築きにくくなります。

(元)妻の基本的態度の分析

妻が面会交流を拒否する理由を考える

あなたご自身がする対策は,(元)妻の態度に対応した適切なものである必要があります。まずは,(元)妻の態度を正しく把握しましょう。
面会交流の拒否にも種類があり,面会交流を拒否する(元)妻の意見は大きく4つに分かれます。

  • 面会交流の実施が子供にとって有益であるという一般論に反対のとき
  • 一般論には理解を示しながら自分の子供と(元)夫の場合は違うという主張のとき
  • 一般論には理解を示しながらも面会交流を実施しづらい事情があるという主張のとき
  • 一般論には理解を示しながらも気持ちが進まないというとき

面会交流の実施が子供にとって有益であるという一般論に反対されているとき

最近では少なくなりましたが,一般論に反対する人もいます。

調停委員は,面会交流が子供にとって有益であって,面会交流を実施すべきことをわかっているわけで,(元)妻にも理解をしてもらおうと説得活動をします。
しかし,調停委員も,(元)妻に不信感をもたれては調停を進められませんし,調停委員の公平中立の立場上,(元)妻の意見をあなたに伝えないままにするということができません。
そのため,調停委員から,(元)妻の「面会交流を実施する必要がない・意味がないから実施しない」との意見を伝えられどうするかを尋ねられることがあります。このとき,あなたは,面会交流の有益性を既に知っている調停委員に対して,知ってもらう努力をする必要はありません。しかし,調停委員に,あなたの話を(元)妻に伝えて,(元)妻を説得するという手順を取ってもらうため,あなたから面会交流が子供にとって有益であると考える理由を話す必要はあります。

(元)妻の「面会交流を実施しない」という希望をあなたに伝え,あなたがその希望に応じられないという回答をするというのは,調停手続上避けられない手順ですから,(元)妻の希望を伝えてきた調停委員の行為を批判してはいけません。(元)妻の考え方が裁判所の方針と違っていて,調停委員も困っているはずです。(元)妻に面会交流の有益性を理解してもらう方法を,調停委員と一緒に考えるようにするのが良いでしょう。

もっとも,(元)妻の意見の間違いを(元)妻に認めさせればすぐに面会交流ができるということにもなりません。なぜ一般論に反対するという態度になっているのか,その理由を見極めて,面会交流実現に向けた次の対策を進めることも必要となります。

一般論には理解を示しつつ実施に反対されているとき

第三者から見ても面会交流実施が子供に有害と考えられうる過去の事実を言われているとき

「(元)夫が子供を○○して虐待していたので,会わせると子供が危険である」などです。

裁判所は,このようなことを言われると,リスクを把握せずに面会交流実施を推し進めるわけにはいきません。
そこで,あなたは,面会交流実施が子供に身体的にも精神的にも有害でないことを説明する必要が生じます。主に次の説明をすることになります。

  • ((元)妻の説明が虚偽・不正確なときは)過去の事実の有無・程度を正しく説明する
  • 当時から現在までにあなたが変化したことを説明する
  • 有害な事件が再発しない面会交流方法を提示する

精神的にも有害でないことの説得的な説明もできるとよいのですが,なかなか難しく,あなたと子供の具体的関係をふまえて何とか説明するしかありません。

また,この連載の前回にも説明しましたが(元)妻の視点をふまえて話をすることも必要です。大切な子供を傷つけられたことや家庭を壊されたことによる(元)妻の怒り・悲しみ,現在の単独子育ての苦労への配慮もなく,「○○という方法で面会交流をすれば危険がないから面会交流させるべき」とだけ言っているようでは,合意が得られにくくなります。

子供自身が面会交流を拒否していると言われているとき

(元)妻の虚言であることは少なく,実際に,子供が,(元)妻の前では,「お父さんに会いたくない」「お父さんに会うのは嫌」「お父さん嫌い」などと言っている事実があることが多いです。
このときに,「(元)妻が子供に言わせているだけで,本当は私に会いたいはず」など,本心なのか本心でないのか,言わせているのかそうでないのかということを直接議論しても,解決につながりにくいです。
子供が,面会交流自体に危険を感じているわけでもないのに,父親に会いたくない,会うのは嫌だと言っている状態は,「お母さんが嫌がっているなら,お父さんに会いたくない」「お母さんの前でお父さんに会いたいなんて言えない」「お父さんは怒ってばかりだから会いたくない」「お父さんは遊んでくれず楽しくないから会いたくない」などのどの理由であったとしても,子供にとって不幸な状態です。
この状態で必要なことは,子供が面会交流を拒否している原因を解明し,原因を取り除くことであり,裁判所もそう考えることが多いです。
そのため,あなたも,原因を解明し除去していくべきという観点から次のような説明をする必要があります。

  • 同居していたときのあなたと子供の関係性を具体的に説明する
  • (別居後に面会交流をしていたことがあるのであれば)面会交流時の様子を具体的に説明する
  • 子供が面会交流を拒否する発言をしている事情として考えられることを説明する
  • あなたに原因があるのであれば,あなたがその原因をなくすために何をしたか,何をするのかを説明する

面会交流を実施しづらい事情を主張されるとき

「面会交流実施時に自分が(元)夫から暴力を受けるおそれがある」「DV被害から回復できていないので自分が面会交流の調整・実施のために(元)夫と接することが有害である」「遠いから難しい」「再婚したので難しい」などです。

別居親(あなた)側が悪いのか,どの程度悪いのかという問題ではなく,現時点で存在している支障を解消できないと,面会交流が実施できないという問題です。
あなたは,その観点で対応する必要があります。

  • ((元)妻の説明が虚偽・不正確なときは)事実の有無・程度を正しく説明する
  • 実施しづらい事情がある中でも可能な方法を考えて,示す

(元)妻の怒り・悲しみ・不信が伝わってくるとき

「家庭を壊しておいて面会交流を要求してくるなんて都合が良すぎる」などです。

審判になれば,面会交流が認められる(拒否できない)結果となることが多いです。
裁判所は,(元)妻に対し面会交流を拒否する理由にならないことを説明して説得するだけでなく,(元)妻の拒否する感情を軽減できるよう調整することが多いです。

面会交流実施に協力すべきであるという態度を取る選択

あなたには,親同士の問題と親子の問題は別であるから,(元)妻が我慢して(自分で解決して)面会交流実施に協力すべきであるという態度を取り続けるという選択もありえます。ただ,(元)妻が面会交流を拒否したい気持ちになっていることにあなたの責任があるのであれば,あなたの態度に裁判官・調停委員の共感が得られにくく,調停を打ち切って審判に進めてもらうまでに時間がかかることを覚悟する必要があります。

怒りなどの軽減に向けて取り組む選択

裁判所任せにせずに,あなた自身も,(元)妻が面会交流に前向きになれるよう,(元)妻の怒り・悲しみ・不信の軽減に向けた努力をするという選択もあります。その努力によって,早く円滑な面会交流が実現できるようになる可能性があります。
もっとも,その方針で進もうとしても,男性側がそもそも(元)妻の怒り・悲しみ・不信の程度・原因を正確に理解できていないことも多いです。調停委員の協力を得て聞き出し,真摯に受け止めることが必要となります。
また,(元)妻の気持ちは理解しても,面会交流不実施の希望を受け入れるわけにはいかないという態度を示すことになりますので,話し方にも工夫が必要になります。

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(弁護士 木下貴子)

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この記事を書いた弁護士

著者木下貴子

弁護士 木下貴子

多治見ききょう法律事務所所長

岐阜県多治見市で初の女性弁護士となり23年目。
離婚事件を中心的に取り扱い,これまでに受けた離婚のご相談件数は1000件を超えます。ご相談は,親身,気軽,自分で決めるをモットーに対応しています。
離婚・夫婦に関する講演の講師も務めています。
著書の「離婚調停は話し方で変わる」(ききょう出版)はAmazonランキング法律部門第1位を獲得しました。

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